2012年3月31日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・パソコン無事退院 <標高316m>


 

雪原に続く一筋の足跡、これはボクの人生の航跡そのものだ。歩みのひとつづつに生きる歓びと感動が隠されている。


この行き着く先は峻険な御山の頂上だろうか? それとも水芭蕉の群生する秘められた湿地だろうか?一挙手一投足、吸う息・吐く息に感謝をする、これが「神想観」の極意であろう。

2012年3月29日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・早春の輝きをさがして <標高315m>



日のあたる谷間の雪の中からフキノトウが顔を出しました
夫婦でしょうか 兄弟でしょうか
やっと妙高高原にも早春の香りが届きましたよ 感謝です


まるでスイスの山の街に来たような感じがします
開湯100年、妙高温泉街の早春の風景です
太陽のぬくもりをもらいながら歩いています



2012年3月21日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・やっと春の日差しが <標高314m>


彼岸の中日にも30センチの雪が積もりました

今朝やっと青空がみえて柔らかい日差しが部屋に入ってきました

窓の外には雪を目一杯かぶったドイツトウヒが見えています

彼岸を過ぎて後7回雪が降ると言ったのはだ〜れ

2012年3月20日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ 言葉のアーカイブス<標高313m>

アマン・ガマン・ゲロッポのお話 8

兄弟や姉妹たちが、それぞれ自分の体を動かして小川の流れに乗って遠くに旅立っていったのです。アマンたちは多くの仲間が一つの場所では生活できないのです。それは食べるものもそこだけでは充分ではなかったからなのです。


そしてアマンはその梅雨の終わる頃、ちいさなアマガエルになって、大きな川の岸辺にあるブナの木(注:1)を住み家としていました。その時、あの怖い青大将(へび)に食べられそうになったのでした。

お蕎麦(そば)の粉を最初に舐(な)めさせてもらったアマンは、その香りと優しい味にうっとりとして、生まれた頃のことを思い出していたのです。ガマンもホロップさんも同じようにとっても良い気持ちになっていました。

ホロップさんはお空に一番星が輝き出した頃、入ってきた小さな穴から外に出てお家に帰って行きました。まあるいお尻をプルプルと揺らせて上手に出ました。
『アマンもガマンも今日は、ここに泊まっていきなさい。もう外は暗い。』ゲロッポ小父さんは優しい目をしてアマガエルたちを見つめました。


そしてもう一度その穴から長いおヒゲの顔を覗(のぞ)かせて、アマンたちを見て言いました。『じゃあ、またな。ボクんちに遊びにおいで。大きな樅(もみ)の木のありかは、ゲロッポさんに聞くと良い』そう言うが早いか、ピョンピョンと草原に吹く風のように走ってあっと言う間に消えていきました。

アマンはホロップさんがとっても好きになりました。背中にのっかった時、柔らかい毛がとっても暖かだったのと、お日様の匂いがしたのをじっと思い出していたのです。

その夜、アマンは生まれて初めて遠くのお家に泊まったのです。ガマン君はゲロッポ小父さんちには何度か泊めてもらっているようです。
夜になると、この水車小屋もちょっぴり冷えてくるのです。ゲロッポさんは、アマガエルのために蕎麦(そば)の殻(から・注:2)をたっぷりと敷き詰めた小さなお部屋に連れて行ってくれました。部屋の隅にはきれいな水も湧いています。
アマンは早速その透明の水を飲みました。なんだか体に元気が湧いてきたようでした。水車小屋の上には大きなお月様が浮かんでいます。その光が、アマンたちの部屋にも忍び込んできていました。

勉強のお部屋

<ブナの木(注:1)>
みなさん、ブナと言う木を知っていますか?それは山の高い所にはえているのですよ。海抜(海面を0mとして計算します)500m800m~1000m付近に多いのです。

この木の種子(たね)はネズミの大好物です。幹(みき)の高さは約20mにもなります。そしてこの木の根っこは、沢山の雨水を貯(たくわ)えてくれるのです。だから山にブナが多くあると水害もあまり起こらないのです。

昔から森のダムと言われているのですよ。実は食用にもなり、「ブナの油」もとることができ、木の皮は染料(布を染める材料)にもなるのです。


<そば殻(がら)注:2>

「そばがら」とは、ソバの実を包んでいる皮です。茶色の濃い色です。ゲロッポさんが、アマンたちの寝床に敷いていましたね。人間は昔からこのそばがらを使って、枕(まくら)を作っています。

大学の先生も長い間この「そばがら枕」の研究をされ、これが最も快適な睡眠が得られることを実証されました。

昔から日本では、「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」と言って、頭は冷やし、足は温めるのが健康に良いとしてきました。

そばがら枕は、私たちの頭を優しく冷やしてゆっくりと眠れるようにしてくれるのです。

2012年3月15日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・パソコン入院します<標高312m>


私の名は人呼んで「ミスターX」と言う

庵主のパソコンが訳の分からない動きをするのも

「ミスターX」、俺様の仕業かもしれない

そこで庵主は明日からパソコンを精密検査に出すらしい

て短期入院か、はたまた長期か、それはわからない

俺様は一刻も早い退院を願ってはおるが・・・フッフッフ

という訳でしばらくの間、記事のアップはお休みにします

PCが元気になって退院しましたらまた宜しくね






酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・言葉のアーカイブス<標高311m>

アマン、ガマン、ゲロッポのお話 7

『君たちこっちへおいで』ゲロッポさんが首を振ってその場所を教えました。そこには先ほど粉ひき爺さんがこぼして行った、蕎麦(そば)の粉がこんもりと残っていました。


ゲロッポさんがみんなを集めて言いました。『この蕎麦粉(そば粉)は人間が食べるものでとってもカラダに良いとのことだ。わたしもよくは知らないが、なんでもこれを捏(こ)ねて、細長いものにするのだそうだ。』みんなはじっとゲロッポさんの話を聞いていました。

『さあ、アマン。まずお前からなめてごらん。』アマンは突然そう言われて驚きました。このようなものを食べるのは生まれて初めてです。もじもじしていますと、ホロップさんがアマンに言いました。

『アマン、とっても美味しいよ、さあ。』アマンはその声に勇気づけられて、可愛い舌をペロッと出してその粉を舐めてみました。香ばしいお乳のような香りが口の中にふんわりと広がっていきました。

アマンたちは、お母さんのお乳で育ちはしませんが、なんとなくそんな気がしたのでした。その時アマンは、生まれてすぐに離ればなれになってしまったお母さんアマガエルのことを思い出していました。

アマンが生まれたのは、山の中を流れる小川の傍(そば)でした。暖かい春のある日、ぱっと明るい光が周りを照らしたその時、アマンは柔らかいプルプルしたゼリーの中からそっと顔を出したのです。

小さな頭と尾っぽだけの子供でした。そばでお母さんが心配そうに見ていました。小さなアマンはお母さんの手できれいな水をかけて洗ってもらいました。

大きなお母さんの体が、自分の姿と違っているのを見て不思議な気持ちがしていました。アマンたちカエルの仲間はみんなそうして生まれてくるのです。

アマンが生まれて少したった頃、細い雨がしとしと降る梅雨が始まりました。この季節はアマンたちの大好きな雨の日が続くのです。草の葉っぱには、マイマイツブロ(カタツムリ)(注:1)の赤ちゃんも生まれるのです。



おおきなツブロのお父さんが光の帯を引きながら、そばの木に登って行きます。ゆっくり、ぼちぼち、そしてゆったりと。

そのころアマンはお顔の下から二本の足がはえてきたのを知っていました。きれいな水のなかに生えている草の露をすったり、緑の藻(も)をなめたりして過ごしていました。

一緒に生まれた兄弟たちもあっちの水辺、こっちの水たまりに泳いでいるのが見えましたが、その内にみんないなくなってしまいました。


<勉強の部屋> 
かたつむり・でんでんむし(マイマイツブロ)注:1

みなさんは、「でんでんむし」と呼んでいますか?童謡に『でんでんむしむし、かたつむり、おまえの頭はどこにある、つのだせ、やりだせ、頭出せ』なんていうのがありますね。

かたつむりと言う呼び名は今では全国の共通の呼び名ですが、むかし京都で呼ばれていたものです。マイマイツブロは、東京地方の方言です。つぶり、つぶら、つぶろと言うのはまるい物をあらわす言葉なのです。つぶらな瞳(ひとみ)などと言いますね。

かたつむりは日本に500種類くらいいるそうです。かたつむりにはオスとメスの区別はありません。だからどれでも子どもを産めるのです。食べ物は、野菜なら何でも食べるようです。キュウリ、スイカ、レタスなどです。

みなさんも野菜をちゃんと食べて、かたつむりさんに負けないで下さいね。

2012年3月14日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・今朝の一枚+アルファ<標高310m>

インベーダーがダースベーダーに変身


                                                                                              Presented by Jun

現れ出でたるインベーダーがなんと
雪のダースベーダーに変身した昨日の朝

ピラミッドのような頭をもち
白い大きなヤドカリの化身となり
氷点下8℃の冷気の中に生きる怪物

些細な事でクヨクヨしているやつはいないか?
自分はだめな人間だと決めつけていないか?
このダースベーダー様が癒してあげよう
目を閉じて太陽の明るさを感じるのだ
そして大きく深呼吸をして こう宣言せよ

私は「神の子」完全・円満
これから毎日あらゆる点で一層良くなる!

そろそろ太陽が出てきた 私も宇宙の星に帰ろう
また会おう それまでみんな達者で暮らせよ!



2012年3月13日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・言葉のアーカイブス<標高309m>

アマン、ガマン、ゲロッポのお話 6


『はじめて見るカエルだな、名前はなんて言うんだ』『わたしアマガエルのアマン』『僕は野ウサギのホロップというんだよろしくな』『わたしたち、ゲロッポさんちに来ているの。水中雨蛙のガマン君も一緒よ』。

『ゲロッポさんちか、僕もよく遊びに行くよ。そう言えば今日は蕎麦(そば)の粉を頂けるんだ』『ホロップさんもお粉のことを知ってるの?』。
その野ウサギはちょっと得意そうに言いました。『僕のお爺さんの時代から、この水車は廻り続けているんだぜ』『じゃあ、ホロップさんはずっとここに住んでいるの?』『僕たちは春から秋までこの水車小屋の近くの家で生活してるのさ』。

『じゃあ、寒い冬はどうするの?』『ここも冬には白い雪でみんなかくれてしまうのさ。だから僕たち家族は、森の奥にある大きな木の根っこの穴に引っ越すんだよ』『根っこの穴?』『そうさ、とっても広くって、暖かいよ』。

『アマン、行ってみたい』と何気なくそう言ってしまいました。『じゃあ、今年の冬は遊びにおいで』。とホロップさんは、お鼻をピクピクと動かしながら言いました。


『お〜い、アマンもガマンも帰っておいで』。とゲロッポ小父さんが呼んでいます。『ホロップさんも一緒に行きましょう』。アマンはそう言うが早いか、ピョンと飛び上がってホロップさんの背中にとび乗りました。

ホロップさんはアマンを落とさないようにピョンピョンと跳ねて、ゲロッポ小父さんの水車小屋にやってきました。入り口の横にある小さな穴からす〜っとはいったのです。

水中雨蛙のガマン君はもう帰っていました。ゲロッポ小父さんはホロップさんを見て優しく言いました。『ホロップ君、ようこそ。お父さんやお母さんはお元気か?』

『はい、有り難うございます、どちらも元気です。今ちょっと出掛けておりますが』『ああ、またあの山の向こうにあるホットゾーン(温地帯)にですかな?』

『そうなんですよ。あそこに行って、岩の底から湧いている温泉に入って腰の治療をしているのです』『そうだったな、君のお父さんは、去年の台風の時腰を痛めたのだったな』。

ホロップさんのお家は、森の中の大きな木のほこら(穴)の中です。去年の秋台風の日、大きな樅(もみ)の木(注:1)に住む「ふくろう」のチャバさんちの子供が木の上にある巣から落ちたのでした。大風に飛ばされたのです。

ホロップさんのお父さんは、ものすごい風と雨の中を子供を助けに飛び出していったのです。その時でした。横にあったクヌギの木が倒れてきたのです。チャバさんちの子供を抱きかかえた時、その木がホロップさんのお父さんに倒れかかってきたのです。

腰を強く打ちました。その日以来、お父さんの腰は少し曲がってしまったのです。だから今日もお母さんと一緒に、温地帯の温泉に出掛けているのです。

アマンもガマンもゲロッポさんとホロップさんの話を聞いていてちょっぴり感動していました。チャバさんちの子供さんを助けた、ホロップさんのお父さんの勇気に心を打たれたのでした。

勉強の部屋 <樅(もみ)の木(注:1)>

よい子のみなさん、もみの木を知っていますか?この木は12月、クリスマスツリーとして使われます。ほら沢山の豆電球(あかり)や、お星様や、金銀のモールを飾るでしょう。

みんなのお家でも作るのではないですか。またそれ以外にも、もみの木は昔からご飯をいれる「おひつ」や、お寿司をいれる「おけ」、かまぼこ板、などに使われているのですよ。

また神社などでは、神様の木と考えられてきました。クリスマスツリーは、大昔のドイツで、病気退治(たいじ)のため家の中にもみの木を入れたのが始まりだと言われているのですよ。(佐田建美・ケルン32より)


2012年3月12日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・今朝の一枚<標高308m>

インベーダー現れる!!


                                                                             By Jun

未明から降り出した雪は あっという間に20センチ

2月の大雪とかわらない勢いで降り続いています

こんな朝 いつもの場所に奇々怪々な生き物が・・・

これぞまさに一世を風靡したインベーダーなのだ!

カエルのあごに突然出現したインベーダー

このあと仲間が増殖するかどうか・・・う〜ん心配だ



2012年3月11日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・言葉のアーカイブス<標高307m>

アマン、ガマン、ゲロッポのお話 5

『粉挽き爺(じい)さんがくるぞ、わたしの棲み家に来ていなさい』。ゲロッポ小父さんが粉挽き爺さんと呼んでいるのは、この水車小屋の持ち主のお爺さんなのです。


今日は朝から野良仕事をしていて、これからこの水車小屋でゴットンゴットンと搗(つ)いているお蕎麦(そば)の粉を袋に詰めるようです。ゲロッポさんはこのお蕎麦の粉がとっても良い香りがするので、お爺さんが袋に詰めるのをいつも待っているのです。

そしてお爺さんが帰ったあとで、少しこぼれたその粉をちょっぴり舐(な)めるのが楽しみでした。今日はこの粉を、アマンとガマンにも舐めさせてくれるのです。

水車小屋の木の戸が開きました。サ〜ッと冷たい空気と一緒に太陽の光が差し込んできました。スミレの花の香りも一緒に連れてきていました。さっき生まれたばかりの「あかねちゃん」が、もう小屋の周りを飛んでいるのが見えています。

ひらり、フワリと自由自在にお空を飛び回るのをアマンはじっと、うらやましそうに見つめていました。


ミヤマアカネ(あかねちゃん)です こんにちは!


外はもう夕方になっていました。さっきまで働いていた粉挽き爺さんも、ソバ粉を袋に詰めては、荷車に積みこんでそして長いクワを担(かつ)いで帰って行きました。怖(こわ)いような長い長い影を引きずりながら・・・。

ガマンがそっと耳元で言いました。

『今夜はゲロッポ小父さんちに泊めてもらおうよ。アマン、いいかい?』『私はいいけど、小父さんは?』『僕聞いてくるよ、ちょっと待っといで』。そう言ってガマンはゲロッポさんのところに行ってしまいました。
アマンはひとりぼっちで、睡蓮の花のそばで待っていました。その時、後ろの方でガサゴソと変な音がしました。昨日アマンを食べに来た、恐ろしい青大将がやってきたのでしょうか?

アマンは睡蓮の葉の裏にそっと隠れました。水辺の葉っぱを揺らせながら長い耳がピンと伸びているのが見えています。灰色のとっても柔らかそうなビロードのお耳でした。耳が森の方に向いたかと思うと、今度は水車小屋の方に傾きました。

そこには赤い目をした小さな野ウサギ(注:1)が座っていました。キョロキョロと辺りを見回して、アマンのいる睡蓮の花の横で小さなお口を小川につけるようにして水を飲んでいます。もう少しでアマンの体にウサギさんの長いひげが当たるようでした。

その時アマンの目とウサギさんの目があったのです。『こんにちは』。とアマンは恐る恐る言いました。ウサギさんは少し驚いて飲んでいたお水を吹き出しました。『こんにちは、ゴホゴホグ〜』。ちょっと喉を詰まらせながら答えました。



勉強のお部屋(注:1)<野ウサギ>

皆さんはウサギさんのことは良く知っていますね。そうです、お耳の長い、目の赤い、足の速いそしてちょっとひょうきんなお顔のお口に、歯が二本伸びていますね。あの歯で木の実などの堅いからを割って食べるのですよ。茶色や灰色の柔らかい毛がとってもあったかそう。

日本の野や山に生活しているウサギはノウサギ類と言います。アナウサギと違って巣穴を掘らずに生活もしますよ。生まれたばかりの赤ん坊はもう眼が開いて、柔らかい毛が生えて歩くことも出来るのですよ。

2012年3月10日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・薪ストーブの煙突掃除<標高306m>


屋根に通じている煙道
びっしりと煤(すす)が・・・


腕曲部の煙突をはずすと強烈なコークス状の煤

3ヶ月間毎日稼働した結果 ほぼ一杯の煤が付着

これらを掻き落とし 押し出しスッキリコッキリ除去

相当きつい作業ですが掃除をしておかないと

煙道火災が発生する可能性があります 

ストーブも天蓋をはずして内部の清掃の実施

2時間ほどで完了 気持ちの良い炎を揺らせながら

燃えてくれる薪 『ご苦労さん 有り難うな』と言って

ストーブを撫でてやった この気持ちが大切だな

2012年3月9日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・言葉のアーカイブス<標高305m>

アマン、ガマン、ゲロッポのお話 4

アマンとガマンはその日、トノサマガエルのゲロッポさんの棲む水車小屋の横を流れる小川に来ていました。沢山のお花が咲いて蜜蜂(ミツバチ)たちがブンブンと羽音をたてながら、花から花へと飛び回っています。お花の甘い蜜を吸っているのです。


近くの水辺では、睡蓮(すいれん・注1)の葉にきれいなトンボがとまっているのが見えました。それは今生まれたばかりのミヤマアカネの赤ちゃんでした。

みなさんは「ミヤマアカネ」を知っていますか?アカトンボの中で一番美しいトンボと言われています。でも最近「あかねちゃん」は私達の周りからだんだんいなくなっているのです。
私達の周りが、「あかねちゃん」が棲(す)めないような環境になってしまったのかも・・・。

「あかねちゃん」は、四枚の羽根の先が褐色の帯で飾られています。今生まれたばかりの「あかねちゃん」は、ちょっと乳(ミルク)色をした羽根を、いっしょけんめい動かせています。

初夏の風と太陽が、その羽根をだんだんと透明な色に変えてくれます。そうして「あかねちゃん」は赤ちゃんから幼稚園の子供のように育っていくのです。睡蓮(すいれん)おばさんに、優しく、じっと見守られながら・・・

『お〜い、お前たちあまり深いところには行くなよ』。と、ゲロッポ小父さんの声が聞こえました。水車小屋に水をくみ上げる小川ですが、そこには深い場所も、流れの速いところも、渦がグルグルと巻いているこわ〜い吸い込まれそうなところもあるのでした。

ガマン君が小さなカゲロウを捕まえて、食べてしまいました。アマンは今まで葉っぱの上で、小さなアリさんや蚊を食べた事はありました。その時ガマン君がまた捕まえたカゲロウをアマンにもくれました。

スミレの花の上にその虫はそっとのっかっています。細い足、長い触覚、薄い水色の羽根。か弱い体ですが、とっても美しいのでした。その時、カゲロウの触覚がぴくっと動きました。なんとまだ生きていたのです。



アマンは驚きました。近づいていた顔を離して後ずさりをしました。アマンは口からピュッと水てっぽうのように水滴をカゲロウにかけました。


カゲロウはその冷たい水滴に驚いて、気絶していた体をぷるっとふるわせました。そして風にのってふわっと飛び上がったのです。細い透明の羽根を動かせて、アマンの背中にそっととまりました。

アマンはカゲロウのとっても柔らかい羽根で体をなでられて、ちょっぴり眠くなってくるようでした。それはカゲロウさんがお礼を言っているようでした。その時ゲロッポ小父さんの呼ぶ声が聞こえてきました。

<すいれん(睡蓮:注 1)>

皆さんはハス(蓮)を知っていますか? ハスとすいれんの違いは、その葉にあります。ハスの葉には切れ込みがありませんが、すいれんの葉にはカニさんのツメのような切れ込みがあります。ハスと違うもう一つは、水を弾くハスの葉と違ってすいれんの葉は水を弾きません。どちらもきれいな花が咲きますよ。

2012年3月8日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・阪急電車<標高304m>


久しぶりに阪急電車夙川駅に来ています

ここは甲陽線です 夙川〜苦楽園〜甲陽園駅を結ぶ支線です

このあたりは瀟洒な住宅の建ち並ぶ、関西の人なら憧れの地でしょう

その苦楽園駅の近くに「満池谷」という場所があって

ここは大きな市営の墓地なのです 今回は先祖の墓のお参りが目的でした

夙川堤の桜は 延長4キロメートルの堤にその数約1000本の古木が

4月初めには満開の花を咲かせ その下では多くの花見客の酒宴が開かれます

さてこの甲陽線の電車は「マル〜ンの風」となって乗客の心を癒してくれます

短いけれど心一杯の期待をのせて走る ボクの大好きな支線です




2012年3月4日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・言葉のアーカイブス<標高303m>

アマン、ガマン、ゲロッポのお話 3

その夜はガマンの棲み家の岩穴の中で眠ることにしました。

ガマンが虫や小さな「へびいちご」を捕ってきてくれました。大きな岩の窪みから夜のお空が見えています。お空にいっぱいのお星様が輝いてとっても素晴らしいながめでした。

『僕、水中雨蛙のガマン。よろしくな』『あたし、アマガエルのアマン。ひとりぽっちなの、ごめんね』。二匹のアマガエルはお互いのことを話しました。夜の岩陰で一晩中話していたのです。お月様が隠れて、星もお山の向こう側に落ちて行きました。そのうち太陽が山の反対側からゆっくりと顔を出してきます。            アマンちゃん


『アマン、森を越えて田んぼに行こうよ』『田んぼ?こわい・・・わたし』『こわくないさ。そこにトノサマガエルのゲロッポ小父さんが棲んでいるんだ』『ゲロッポ小父さんって?』。

『大人のトノサマガエルさ。とっても良い方だよ』『行ってみようかしら』。二匹のアマガエルは川を泳いで岸にはい上がり、そして緑の森を越えて進んで行きました。しばらくすると広々とした田んぼが見える小高い場所にやって来ました。


      トノサマガエルのゲロッポさん

『アマン、向こうに水車小屋が見えるだろう』『水車小屋って?』『ほら大きな木で出来た輪っぱのような、あれさ』『アマン、初めて見たわ。とってもきれいなお水が流れているわ』『あの水車のそばにゲロッポ小父さんは住んでいるのだよ』『ワア〜すごい!とってもきれいなところね』。

その頃、トノサマガエルのゲロッポは朝の食事をしていました。水車のそばに飛んでくる、ハエや蚊を食べていたのです。『ゲロッポさん、お早うございます』『おお、その声は水中アマガエルのガマン君じゃないか?』『はい、ガマンです』『こんなに朝早くから一体どうしたのだ?』。

ガマンは昨日、川の中でアマガエルのアマンを助けたこと、そして今朝早く森を越えてここにやってきた事を話しました。『この子がアマガエルのアマンです』。そう言ってガマンはゲロッポさんにアマンを紹介してくれました。

ゲロッポさんは、アマンとガマンを水車小屋に招き入れました。大きな石の壺(つぼ)のような物があって、水車の廻るのと同時に太い木で出来た杵(きね)のような物がドスンドスンと降りたり上がったりしています。

何とも言えない香ばしい匂いが小屋一杯に漂っています。入り口付近にはとってもきれいな水が流れ、スミレの花が咲き、芹(せり・注1)が揺れているのです。

ゲロッポさんが言いました。『お前達お腹が空いているのだろう』ガマンもアマンも朝から川を泳ぎ、森を越えてここゲロッポさんの棲む水車小屋までやってきたので、お腹がグ〜、グ〜と鳴っていたのです。

ゲロッポさんはその音を聞いていました。そして二匹のアマガエルに小さなアブ(注・2)のようなものを与えました。ガマンはいつも水辺に飛んでいるカゲロウなどを食べています。アマンはというと、小さな蚊やブヨしか食べた事がなかったので、アブには驚いたのでした。

大きな灰色をした目がにらんでいるようで、いくらお腹が空いていてもすぐに食べることが出来なかったのでした。


注1:<セリ(芹)>


これは春にめぶく草です。春の七草の一つです。皆さんは食べたことはありませんか? いいかおりがする草です。春の小川にゆれているセリをみたら、「可愛い」と思ってきっと好きになるでしょう。小さな白い花が咲きますよ。

注2:<アブ(虻)>

これはハエのなかまの昆虫です。人間の腕などにとまって血をすったりするのもいますから、気をつけて下さい。

2012年3月3日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・今朝のポエム<標高302m>


                                                                                          By Jun

野辺にさく花 その名はしらない

雪原の向こうにゆれる まぼろしの花弁

春を待つ面持ちで 肘をついて眺めている

雪は今朝もカーテンのように流れてとまらない

You Tubeから「早春賦」がきこえている

『春は名のみの風の寒さや』・・・か




2012年3月2日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・言葉のアーカイブス<標高301m>

アマン、ガマン、ゲロッポのお話 2 

もう少しでアマンは青大将のおやつになるのを逃れたのでした。でもアマンは今まで川の深い所に行った事はありませんでした。早い流れも経験したことも、冷たい谷川の水も知りませんでした。

驚いて手足をバタバタさせました。でも小さなアマンの力ではどうすることも出来ません。どんどん流されて行きました。早い瀬を転がるように流され、大きな魚が目の前に浮かび上がって来たり、空の上にはこわ〜いトンビが輪を描いて獲物を狙っています。

その時アマンは少し先に大きな滝があるのに気付きました。でもどうする事も出来ないまま、その恐ろしい滝にむかってどんどん流され、近づいて行ったのです。

あともう少しで滝に吸い込まれると思ったその時、何ものかがアマンの足を引っ張って大きな岩の後ろの比較的穏やかな場所に連れて行ってくれたのです。アマンは息が弾んで目もぼんやりとしていました。横でアマンをじっと見ていたのは、水中雨蛙のガマンでした。大きな岩の裏にある住み家で、虫の流れてくるのをじっと待っていたガマンは目の前を流れて行くアマガエルを発見しました。

水中雨蛙のガマン君

すいすいと潜水し、瞬く間にアマンの足をつかんで岩陰に連れてきたのでした。やっとアマンは気がついたようです。『ここは何処?あなたはどなた?』とガマンに聞きました。
『僕は水中雨蛙のガマンさ。もうちょっとで君はお陀仏だったのだぜ』『それを助けて下さったの?』『そうだ、足をつかんでここに引っ張ってきたのさ』。

『有り難う。もう死ぬかと思ったわ。でもどうして川に落ちたのかしら』『ああ、それはね木の上にいた青大将におそわれたのじゃない?さっき大きなヘビが周りを探し回っていたよ』

『こわ〜い』『もう大丈夫さ。空には青大将が最も嫌いなトンビのピンヨロさんが飛んでいるから向こう岸のヤブの中に隠れてしまったと思うよ』。アマンはほっとしてガマンにもう一度お礼を言いました。

2012年3月1日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・66歳の喜び<標高300m>


自然の力が紡ぎだした雪のリボンのシンメトリー

それは一瞬の輝きを陽光の中に見せてくれました

雪からのとびっきりのバースデープレゼントでした

ここまでボクを支えて下さった皆様の上に神様より

今まで以上の幸せと健康が与えられますよう祈ります

おひとりづつお顔を思い出しながら心から

有り難うございました 感謝 合掌