【透かし俵・クスサンの登場】
別名「スカシダワラ」と言います。蘆(ヨシ)の枝にしっかりと張り付いています。細かい網(繭・マユ)の中に蛹(サナギ)が入っています。その上をもう一枚の網がかかっていて雨水を遮断しているようです。
この蛹(サナギ)はイリュージョン並みの不思議な業で「籠抜け」を演じるのです。こんなに大きな蛹(サナギ)が形だけを残して、中の住人は羽化してしまうという離れ業です。この籠抜けの話は、2011年4月18日と20日のブログに詳細をアップしています。
(クスサンの晴れ姿:石黒 通信氏撮影)
「クスサン(樟蚕)」こそこの繭(マユ)の正体です。大型の蛾の仲間ですね。夜の灯りにやって来たときは、バタバタと羽ばたく音がしてあまり気持ちの良いものではありませんが。大きな二つの目の模様は天敵から逃れる「擬態」の一つでしょう。
昔はこの繭で糸を作ったのです。「栗綿」と言って布の材料になったのです。また幼虫の体内から取り出した糸は魚釣りの「テグス」にも活用されました。でも最近はそのような事は聞きませんね。この蛹もボクの知らない間に羽化してしまっていることでしょう。
(庵主の日時計日記:自然と私)より
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