アマン・ガマン・ゲロッポのお話 23
ツバサ君は、しばらくしてこんな事を言いました。『どうだい、ガマン君、アマンちゃん、空を飛翔(と)んでみたくないかい?』『空?とんでみた〜い。広い空、アマン大好き』。ガマン君は何か心配そうにしています。
まだ十分にツバサ君の事を知らないガマン君でした。『ね〜ツバサ君、どうしたら私、空を飛べるの?』『ああ、それはね、ほらここに乗るんだよ。ここ』。ツバサ君は大きく羽根を広げて、自分の背中を見せました。
そこには柔らかい毛が沢山はえていて、暖かな羽毛布団(うもうふとん)の様です。『ここに入ってそして、この羽毛をしっかりつかんでいればいいのさ』『へ〜え、この背中に乗っかって、空に行くんだ!ガマン君、一緒に行こうね』『そうだね、ボクも行こうかな』。ガマン君はしぶしぶ返事をしました。
こうして二匹のアマガエルはお兄さんフクロウの背中に乗って大空に飛んでいく事になったのです。ホロップさんもいきたそうにしていましたが、体が大きいのでそれは出来ませんでした。
ちょっぴり残念そうな顔をして、木の洞穴の外でその様子をじっと眺めていました。ツバサ君はアマンとガマンを背中の柔らかい羽毛の中に包み込むと、『さあ、しっかりつかまってるんだよ。いち、にの、さん そ〜れ!』と言って一気に飛び上がったのです。
そして樅の木のてっぺんまで飛び上がりました。アマンは体がす〜っと浮かび上がったような不思議な気持ちがしました。でもしっかりとツバサ君の羽毛に両手でつかまっていました。
さすがガマン君は片手でつかまって、もう一方の手でアマンの体をしっかりと支えてくれていたのです。
ツバサ君のお父さんとお母さんが木の枝にとまって、ツバサ君の様子をじっと見ていました。お母さんはなにか、心配そうにしています。お父さんは大きな目と長い耳を動かせながら、ツバサ君の大きな羽根が風の流れを上手く受けているのを見て、大きな目を少し細くしたようでした。
さあ、これからアマンたちを背中に乗せたツバサ君が雪の大地に向けて一気に飛び出して行くようです。体中の羽根が風にパサパサ、ブルルと振るえています。ツバサ君が『じゃ〜〜、行くよ〜〜、Haaa~~ii』と大きく一声かけました。
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