2012年5月19日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高351m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 24

大きな羽根をいっぱいに広げてお兄さんフクロウのツバサ君は樅の木のてっぺんから森の木の上を目掛けて飛び降りました。その時、強い風がさ〜〜っと吹いてきて、ツバサ君を大空の途中まで運んでくれたのです。



『だいじょうぶか〜い?上の子たち〜〜』とツバサ君が叫んでいます。『素敵よ〜〜、ほら森の樅の木があんなに下に見えているわ!ツバサさん、大丈夫ですよ』とアマンが大きな声で答えました。


ガマン君は必死でアマンの体を支えていました。と言うのも、山の上の方から時たま、ものすごく強い風が吹いてきて、アマン達の体を吹き飛ばしそうにするのです。

アマンは大きく背伸びをしたりして、その風をまったく気にもしていない様子です。『ほら、あそこがゲロッポさんの水車小屋だよ』とツバサ君が教えてくれます。水車小屋も雪で真っ白に変わっています。それでも水車(みずぐるま)は今日もしっかりと回っています。

『ゲロッポ小父さ〜〜ん』とアマンが呼びかけていますが、とてもその声はゲロッポさんのところには届かないようです。ツバサ君はゲロッポさんの水車小屋の上を飛び越えて、大きな川の上にやってきました。



白い泡のような滝が見えています。あの滝はアマンが青大将に食べられかけた時に落っこちた、川の下流にある滝でした。危機一髪(ききいっぱつ)であの滝に落ちこむところをガマン君に助けられたのでした。

『ガマン君、私たちのお家が見えるわ、ほらあそこ!』アマンが背伸びをしてガマン君に話しかけた時でした。川の方からものすごい風が吹き上がってきてツバサ君を一気に山の頂上付近まで吹き飛ばしたのです。

『ウワア〜〜みんなしっかりつかまってろよ。頭を下げてエエ〜。こりゃ大変だ




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