【村上市の寺町付近の巨木と黒塀のある風景】番外編
9月24日新潟県村上市で開催されている「屏風まつり」に出掛けた折、素晴らしい空間に踏み込んだ。そこには天を突く様な巨木と、道路一杯に設えられた「黒塀」が、長い歴史の趣を感じさせてくれた。
「黒塀通り」と名付けられているエリアのなかに迷い込んでしまったらしい。ちょっとした時代劇に出て来る武家屋敷の風景にも見える。即興で一コマどうぞ。
【長いのを一本腰に差し、結城紬の着流し。口には楊枝をくわえ懐手をしたどことなく遊び人風の若侍、微かに詩吟を吟ずる声が風に乗って流れて来る】その時、塀の蔭に隠れていた三人の男、音も無く後ろに忍び寄って一気に突きを入れて来た。『えい!』『とう!!』左右に分かれて侍に斬り掛かった。
【その時一瞬月が雲に隠れた】若侍の刃は、はるか4尺もの上から一太刀の横払いで風を切った。『声も立てずに三人の浪人は地面に倒れた』。雲が切れて青白い月がその男たちを照らしている。『あと一時もすれば目をさますだろう。むやみな殺生はご法度だ・・・』。若侍の吟ずる声が遠のいて、そこには男たちに近づいて来た一匹の野良犬だけがいた。夜の底が白くなって、黒塀通りは不気味に寝静まっている。
(こんな時代劇の一コマが見えて来る様な、すてきな町並みでした)
0 件のコメント:
コメントを投稿