長かった愛媛県での単身赴任生活から帰って来て阪急電車に乗った時、『やっと故郷にもどってきたんやなあ〜』との実感が湧いたものでした。「阪急電車」という小説が世に出て、映画化もされました。そんなある日ボクは「今津線」に乗って逆瀬川駅から西宮北口まで出かけました。
その日はちょうど7月7日で七夕だったのでしょうか、西宮北口駅周辺では七夕飾りが東口川の橋の上に揺れていました。あまりの暑さに缶ビールを買って、橋の欄干に座って一休みしたのを覚えています。黒い大きな鯉が悠然と泳いでいました。それはボクにとって至福の一瞬(ひととき)でした。街路樹ではクマゼミがまるで追い立てる様なせわしげな声で鳴いていました。『やっぱり阪急沿線は最高やな・・・』そう独り言を呟いて残ったビールを飲み干しました。
あの日からもう6年の月日が流れました。今年の七夕様は「妙高高原」の雨の中で迎えています。懐かしさに眼を閉じた時、そこでは西宮北口界隈の進学塾に通う子供たちの声が聞こえてくる様な気がしました。
(庵主の日時計日記:思い出の阪急沿線より)
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