【庵主の『夢で会いましょう』Room No.1 矛盾の壁を越えて】
さて今回から新しい企画、庵主の『夢で会いましょう』が始まります。夜眠っている間に見た貴方の、貴女の、夢の教えるものとは。それは案外あなたに対する人生の大きなアドヴァイスかも・・・。不定期連載です。お楽しみに。
『矛盾』と言う言葉があります。説明がつかないとか、二律背反(パラドックス)などと言う意味でしょう。ある街角で、大道芸人がこんな口上を述べています。
『さあてお立ち会い。ここに持ち出しましたる一振りの矛(かたな)、どんな物でも切ることが出来る。また刺し貫く事が出来る優れものだ、さあお立ち会い!』
少し離れた場所で、もう一人の男『さてお立ち会い、ここに持ち出しましたるこの盾、どんな剣や矛でも切れない、刺し通せない強靭なる盾。さあお立ち会い!』
この二つの矛と盾、もしガチンコ勝負をしたら一体どうなると言うのでしょうか? これがまさに『矛盾』と言う事なのであります。どう説明すれば良いのでしょうか?さあ困った、困った『コマルダ夫人』となるのです。
ところが、これが面白い事に、なんとかなるのであります。上記のシチュエーションはあくまでも3次元世界でのお話し。縦横厚み(点線と面と高さと時間)の世界であります。
しかしこのもう一歩進んだ世界に、4次元というのがあるというのです。
『4次元世界?』『そうじゃ、この3次元世界の奥にある不思議な世界じゃよ』『どうすれば行けるのですか?』と彼女。『難しい質問じゃのう』
『ははは・・・怖い夢か。 例えば?』『何かに追いかけられているのです。逃げようとしても足が前に進まなくて』『それで?』『汗びっしょりになって、目が覚めたのです』『うなされていたのかもな?』『どうしてあんな夢をみるのでしょうか?』『そこが問題じゃな、この見た夢の分析で有名なのが、ジグムント・フロイドといってな、昔あのナチスに追われてアメリカに逃れた学者じゃ。その先生が夢判断という学問を立てた人なんじゃよ』
「夢の世界」ここはある面では異次元の領域に入るのかも知れない。自分が今まで経験した事のない事象が突然現れて、考えも就かない方向へと展開していく。もう遥かな昔に出会った人との思わぬ再会。また既に亡くなってしまった懐かしい人との遭遇。これは「夢の世界」ならではの出来事なのです。
『どんな所を歩いていたのじゃ?』『広い草原のような・・』『何かありましたかな?』『そう言えば、大きな木が真ん中にドンと立っていたような・・・』
『じゃあ、貴女の夢の中に出てきたもので、その夢判断をしてみましょうぞ』そう言って私は椅子に浅く座り、呼吸を整えて目を閉じたのであります。
『まず、広い草原のような所・・・これは広場と考えてもいいのじゃ。広場は、社会を表す事がある。誰もいない広い空間。それはあなたと社会との関わり合いが薄れている、ひょっとすれば周りの人との接触を避けている事を象徴しているのかもしれないぞ』そう言った時、彼女は何か思い当たる節があるのか頷いている。
『そこに立つ大きな木。高く聳える木は普通、この世界では男性を表すのじゃ。それが前方にあるのなら、貴女が男性を求めていることになろうな。それと木は生命力の象徴として存在もする。よって立派な木なら貴女の健康を示唆している場合もあるな』
彼女は、じっと聞いていて一言こう言ったのです。『私には愛する人がいます。でもその人には・・・』そう言って目を伏せたのでありました。
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