『聖書に学ぶ』手の萎えた人を癒す(上)
マタイによる福音書 第12章 9節~14節
さて安息日というのは、ユダヤ人にとっては金曜日の日暮れから土曜日の夕方にかけてのことです。当時のユダヤ人は安息をとる日には仕事をしてはならないことになっていました。今でもイスラエルにおいては、安息日にはエレベーターの階を決めるボタンを押せない事になっているところもあるそうです。ことほど左様に、安息日には仕事をしないのです。神様のために何かをする日であって、エレベーターに乗って自分が楽をするのはおかしいので、一階ごとに進むしかないのです。
ユダヤ人がみた旧約聖書について、指導を受けた時に、一つの問題が出ました。厳格なユダヤ人には調理器具にも問題があるというのです。ミルク系とハムは一緒に食べないのです。調理器具は穢れており、一緒にそれらを調理したかもしれない調理道具は使わないのだと言います。
それほどユダヤ人たちは今でも旧約聖書の教えを厳格に守っているのです。すなわち安息日は自分の為にはなにもしない日、神様を中心に考える日となっています。
さて聖書を紐解きながら話を進めてまいりましょう。
9節~10節
イエスはそこを去って、会堂にお入りになった。すると、片手の萎えた人がいた。人々はイエスを訴えようと思って、「安息日に病気を治すのは、律法で許されていますか」と尋ねた。
その日は安息日でありました。イエスは会堂に入られました。人々は聖書にあるようにイエスに問います。病気を治すことは良いことだとイエスが言ったら、彼は律法違反になる。もしその行為が駄目な事だと言ったら、イエスは宗教者でありながら、冷たい人だと批判したかったのであります。
11節~12節
そこで、イエスは言われた。「あなたたちのうち、だれか羊を一匹持っていて、それが安息日に穴に落ちた場合、手で引き上げてやらない者がいるだろうか。人間は羊よりもはるかに大切なものだ。だから、安息日に善いことをするのは許されている。」
イエスはかれらの質問に対しては既に見抜いておられたのです。当時、羊は彼らにとって大切な財産の一つでした。その財産の一匹が穴に落ちたら、あなた方は助けませんか?まして人間は羊よりもはるかに大切ですよ。だから安息日に善いことをするのは許されているのですよ、と言われたのです。
(明日に続きます)
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