2012年6月30日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・高原の生き物たち <標高390m>



ハラビロトンボ 雄(♂)

今日の午後4時頃 岩にとまって日光浴をしている雄を発見
まだ大人になりきっていないので 体の色が薄い水色です

成熟するともっと濃くなって 粉を吹いたようになります
これからが楽しみです

(庵主の日時計日記:自然と私より)

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高389m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 最終回

『奥ちゃん、こんにちは』『おや、アマンちゃんと、ガマン君、それにホロップさんまで。どうしたのさ』『この間は、甘い蜂蜜を有り難う。とっても美味しかったよ』『そりゃよかった。ブンブンのご自慢の蜜だからね』。


アマンは子ども達が、昨日やっと泳げるようになって、それぞれに旅立って行った事を話しました。奥ちゃんはそれを聞いていてポツンとこう言ったのです。

『アマンちゃん、寂みしいかい?でもみんないずれ自分だけで生きて行くんだよ。ボクたちだってそうだもの』そう言って、アマンちゃんの手をしっかりと握りました。真っ黒い手でしたが、とっても暖かい柔らかい小さな手のひらでした。

『そうだ、みんなサクランボ食べるかい?淳爺に今朝もらったのだよ、ほら!』ピンク色のぴかっと光ったとっても美味しそうなサクランボでした。アマンもガマンも初めて見るものでした。ホロップさんは何度か食べた事があったので、その食べ方をアマンたちに教えてくれました。

ちょっと甘酸っぱさが何ともいえず嬉しかったのです。生まれて初めてのサクランボ、小さな種がころっと残りました。アマンはお口の中の秘密の袋にまたしまい込んだのでした。

アマンのその秘密の場所には、今ではひすいの玉とサクランボの種の二つがはいっているのです。リリーパッドの上のテラスで、イモリの奥ちゃんとアマガエルのアマン、水中アマガエルのガマン君はいつまでも話をしたのです。

ホロップさんが、何か言っています。『お〜い、ゲロッポ小父さんちに行かないか?小父さん元気にしているか、見にいこうよ』三匹の仲間は、ホロップさんの柔らかい毛の上に乗っかって、ゲロッポさんの水車小屋までやってきたのです。

ゲロッポさんは、水車小屋にくっついているコケを取ってお部屋に敷いている最中でした。フワフワしてとっても柔らかい、まるで空の雲の上を歩いているようなのです。

『小父さん、お元気でした?』『有り難う、アマンちゃん。お母さんになったのだって。おめでとう』『有り難うございます。でも小父さんどうしてそれを知っているの?』『ハッツハッツハ、それはな、風の便りじゃよ』。

『風の便りって?』『ブンブンやミヤマアカネの、あかねちゃん、そしてフクロウのツバサだって風に乗ってやってくるんだ』『そうか、みんな知ってたのか』。ガマン君は大きな声で言いました。水車小屋のそばに、カルガモのお父さんとお母さんレンボリックさんがやってきました。あの時いた可愛い子ども達はもうどこにもいませんでした。

『レンボリックさんや、子ガモはどうした?』ゲロッポさんが聞いています。『もうみんな大きくなって飛んでいったよ。ちょっと寂しくなったが仕方のない事だ』と、お父さんレンボリックさんが言いました。お母さんはちょっぴり悲しそうな顔をしています。

『さあ、出来たぞ。みんなこっちにおいで。みどりコケのお部屋だ。フワフワして気持ちいいぞ』水車がゴットン、ゴットンと廻っています。ゲロッポさんを囲んで、みんなとっても楽しそうです。アマガエル、トノサマガエル、イモリ、そして野ウサギのホロップさん、カルガモのレンボリックさん。

こなひき爺さんが近い内にまたやって来るでしょう。美味しい蕎麦(そば)の粉をなめさせてもらうのは、秋が終わる頃でしょうか?アマン達の楽しい思い出がいっぱい詰まったこの野原にも冷たい風が吹いてくることでしょう。

その時でした。太陽の光の中から大きな一羽の真っ白い鳥が姿を現しました。

『あっ、白雁(はくがん)のコットンさんだ!コットンさ〜〜ん!!』

アマンは精一杯の声を張り上げて叫びました。『さようなら、アマン。元気でな〜』そう言ってコットンさんは、大きな翼(つばさ)を広げると銀色の風切羽根をキラキラ輝かせながら、遥か北の大地を目指して飛んでいったのです。

アマンはあのコットンさんの暖かい足の水かきの中で眠った事を思い出して、目に一杯の涙をためていつまでも見送っていたのでした。

終わり


近くで、アマガエルやトノサマガエルに出会ったら声をかけてやって下さい。きっと喜ぶと思いますよ。

みんな元気でな(ゲロッポ)、また遊ぼうね(アマン・ガマン)、ではお終い。庵主

2012年6月29日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・木と話す <標高388m>



最近散歩の途中で木に話しかける事が多くなった。木の生命力は人間の比では無いでしょう。妙高高原にも樹齢数百年の木もあります。周りには樹齢100年近い杉の木は五万とあります。

珍しい木に出会うと 近寄って行ってその幹を撫で 手の平でポンポンと叩きゆっくりと話しかけてやります。しばらく手を当ててじっと目を閉じていると幹の中を流れる水の音がかすかに聞こえてくるような気がするのです。

『はじめて君と出会ったが 元気そうだね。この冬は大雪で大変だったろう』『おっしゃる通りそりゃあ厳しかったぜ。ほらあそこに立ってた年寄りの白樺も根元から折れた。凍り付いた夜 風と雪の中で悲鳴を上げて倒れたんだ』『でも君はまだ若いから大丈夫だね』『ファルファルファル。でもな4メーターもの雪がくると危ないな』。そう言って大きな口を開けて笑った。

『君のパワーをボクにくれないか?』『オレので良かったらいつでもどうぞ。ファルファル』。ボクは幹にそえていた腕に心を集中させた。そのあと不思議と肩こりが軽くなった気がした。

『ありがとう じゃ また来るね。さよなら・・・』別れ際にもう一度手の平で口のあたりをポンと一つ叩いてやった。壮年の木は はにかんだように にこっと笑った。

(庵主の日時計日記:自然と私より)



2012年6月28日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・高原の生き物たち <標高387m>


【ハラビロトンボ・雌(♀)】


今年はじめてこのトンボをみたのは 6月26日の夕方でした。 榎(エノキ)の幹にとまって日光浴をしていました。おなかが普通のトンボの倍近くあるので だれでも見分ける事が出来ますよ。

このトンボの雄(♂)は成熟しますと青い空の様な色になります。オオシオカラトンボの体色に似ていますね。今年の夏はブルーに輝くハラビロトンボの雄をゲットしたいと思っています。


参考)オオシオカラトンボの雄(♂)(庵主の日時計日記:自然と私より)




2012年6月27日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・今朝のアイリス <標高386m>




去年の夏 ある施設に 蕎麦の種まきのボランテアーに出かけました。その時 田の畦にアイリスが抜いて捨てられていました。それを持ち帰って植えておいたのが今朝大きな花を咲かせてくれました。株もたくさん増えたのでこれからが楽しみです。

打ち捨てられている花や野菜なども 土にもどしてやると 明くる年には素晴らしい花となったり季節の野菜となって再生するのです。自然はまことに良い仕事をしてくれますね。心から感謝をした今朝の風景です。

(庵主の日時計日記:自然と私より) 







酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高385m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 35

アマンとガマンの子ども達は、ホタルが夕方に水辺を飛ぶ頃まで、大きな岩の家で綺麗な水の中にユラユラと揺れていました。それはまるで揺りかごに眠っている赤ちゃんのようでした。


そんなある日の事、山の上を真っ黒い雲がおおい始めました。そしてその暗い空の上から、ものすごい光が落ちてきたのです。ガラガラガラと大きな音がしました。アマンとガマンは岩の穴の中で小さくなってじっとしていました。

そのカミナリは、山から山へ、空から谷へと走り回りました。沢山の雨を降らせながら、ようやくのこと、その稲光(いなびかり)とすごい音は遠くの方に去って行ったのです。

それからしばらくして、大きな美しい虹が山の上に谷川をまたいでかかりました。アマンもガマンもこんなに大きな虹を見たのは初めてでした。その虹の光の中で、アマンたちの子供は足が生えてきたのです。そして虹が消えてしまう頃、その岩の穴の家から一つ、また一つと外に出て行ったのです。

そしてしばらく川の流れの中にただよいながら、やがて遠い独りぽっちの旅に出たのです。こうしてアマンとガマンの子ども達は、優しかったお母さんアマガエルのもとから離れて、やがてお兄さん、お姉さんアマガエルになって行くのです。それはアマンやガマンが経験(けいけん)した事と同じことだったのです。

アマンとガマンは6月の梅雨の晴れ間に、イモリの奥ちゃんのすんでいる果樹園の池にでかけました。と言うのもこの前、アマンに赤ちゃんが誕生した時、奥ちゃんは蜜蜂のブンブンにお願いして、甘いリンゴの蜂蜜を届けてくれたのです。

今日はそのお礼に、奥ちゃんの大好物のミミズを持ってやってきたのです。森の大きな樅の木に住んでいる野ウサギのホロップさんも途中で誘いました。ホロップさんは、早速アマンとガマン君をお背中に乗せて、ピョン、ピョンと飛ぶようにして奥ちゃんのいる淳爺の果樹園にやってきました。

リンゴの木には綺麗な花が咲いていました。水辺にはまだ水芭蕉の花も風に揺れながら太陽の光を一杯に浴びて笑っています。リンゴの木に混じって、いくつかのサクランボのなる桜の木がありました。

うす桃色の大きな実が沢山なっているのが見えています。イモリの奥ちゃんは池のリリーパッドに寝っ転がって、日向ぼっこをしている最中でした。

2012年6月26日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・コミスジ <標高384m>


【コミスジ(タテハチョウ)】



コミスジはタテハチョウの仲間では 比較的地味な蝶であります 翅(はね)を開くと写真のように3条の筋模様があります この翅の模様は蝶を大きく見せるのか 下の歯のような模様が襲ってくる鳥やヤンマを威嚇しているのかも知れませんよね 水をまいた地面に飛んで来て吸水しています 写真を撮るチャンスですね これに似た蝶にホシミスジがいます 

どちらもミスジチョウの仲間ですが ホシミスジは翅の裏の付け根に 黒点が星のように散らばっています それが見分けのポイントです 
梅雨が明けたらもっといろんな蝶がやってくることでしょう これからが楽しみですわ

(庵主の日時計日記:自然と私より)



2012年6月25日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・列車の旅 長岡市 <標高383m>

   
【JR 長岡駅】




6月24日(日)朝5時50分に家を出て新潟県長岡市・生長の家教化部まで列車の旅です。信越本線も列車の本数が少ないため、うまく時間を合わせないと、びっくりするような待ち時間になってしまいます。まあそれだけローカルな「ぶらり旅」が経験出来るというものでしょうか?車窓から見える初夏の日本海の景色は、奇岩にぶつかる波しぶきとともに忘れ得ぬ光景でした。

長岡駅の開業は明治31年(1898年)6月16日とのことですから今年で114年目になります。2007年春に駅舎改修がなされ、とってもきれいな近代的な駅に生まれ変わっています。また駅に通じる連絡通路も雨や雪対策の為、箱形通路に改修されこれも快適でした。

ただ惜しむらくは、晴天の日曜日という好条件なのに、目抜き通りより一歩裏道に入ると、多くの施設や店が閉まっていて人通りが少ないのは残念でした。特筆されるのは、ここは上越新幹線(大宮〜新潟間)の長岡駅であること。この利点を最大限に生かして益々発展してもらいたいと思いましたね。



2012年6月24日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・高原の生き物たち <標高382m>


【ダビドサナエ】




サナエトンボの仲間 春の谷間にでてくる比較的小型のトンボです

サナエトンボは日本では27種います 早苗の頃に羽化して飛び出すので

その名がつけられたと言われています この「ダビド」というのは

19世紀なかば活躍したフランス人宣教師・動物学者P.Davidに由来します

なお昨年のダビドサナエの初見の記事は6月19日でした

(庵主の日時計日記:自然と私より)




2012年6月23日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・今朝のポエム <標高381m>






【家を背負って】

のろまな大きなカタツムリ

お家を背負ってあちこちと

雨の日大好きカタツムリ

どこまで行くのとたずねたら

塀(へい)の向こうの畑まで

キャベツを食べに行くそうな

のろまで大きなカタツムリ

急がにゃ日暮れて夜が来るぞ

(庵主の日時計日記:自然と私より)
 

2012年6月22日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高380m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 34

そして暖かい日がしばらく続きました。そんなある日・・・。
近くのブナの木にチョウゲンボウが止まってあちらこちらと周りを見ています。まだ若い鳥のようです。チョウゲンボウはヘビやカエルを捕まえて食べるタカの仲間です。

ガマン君は、外に出ないで岩の穴からその姿をじっと見ています。その時若鳥がなにかを見つけたようです。鋭い目が一瞬キラッと光るのが見えました。

頭を低くして、尖ったツメ(爪)のはえた足で枝をしっかりとつかんでいます。そして首をグット伸ばして、その獲物をしっかりと見ていました。その時、山から吹いてきた風がその若鳥の背中をぐっと押したのです。

一気に枝をけって、チョウゲンボウは獲物目指しておそいかかりました。それはあっと言う間のことでした。一直線に川の岸辺に生えているクマザサの茂みの中に舞い降りたかと思うと、足の鋭いツメ(爪)で獲物つかんですぐに飛び上がったのです。

足の先には、あの恐ろしい青大将がしっかりと握りこまれています。大きく羽ばたいて、チョウゲンボウの若鳥は山の中に飛んで行ったのです。

自分たちをねらっている青大将もまた、大きな鳥に狙われている。ガマン君はその事を今、岩穴の中でじっと考えていました。怖くて、恐ろしい現実にとまどっていたのです。
でもそう言うガマン君も蚊やカゲロウや蝶々などを捕まえて食べているのです。



その時でした、アマンの声が聞こえてきました。『ガマン君、小さな赤ちゃんが卵から出てきたわよ。ほら見て!』。その声はもうお母さんアマガエルそのものでした。

アマンが小さな赤ちゃんにきれいな水をかけています。小さな命はプルプルと震えながらそのゼリーの粒より出てきたのでした。それはアマンとガマンの子供が、今、神様の命を得てこの世に生まれ出た瞬間でした。

2012年6月20日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・マイマイカブリ <標高379m>


高原の生き物たち・マイマイカブリ



昨日お隣のOK牧場(自称)では草刈りをしていました。今朝そこに行ってみると大きなコウチュウが歩いていました。大きな体(4〜6センチ)、長い足、青紫色が美しいマイマイカブリの成虫です。この虫は特に珍しい昆虫ではありませんが、オサムシの仲間であり日本固有種でもあります。体形からみると飛びそうですが実は飛びません。素早く地面をはうのです。

だから広範囲に移動出来ないので、日本の固有種として今まで生きながらえて来たのでしょう。マイマイカブリと名がついているように、カタツムリを見つけたら素早く襲って、その細長い頭を突っ込んで噛み付き肉を融かして食べるのです。カタツムリの殻にうまく入れるように首が細長く進化したのでしょう。

ボクが見つけたのは東北地方特有の青紫色をしていました。昆虫図鑑によりますと、素手で捕まえると嫌な臭いを発散し、それが目に入ると強い痛みがあるとのこと。十分気をつけて捕獲せねばなりません。

(庵主の日時計日記:自然と私より)

2012年6月19日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・新潟県合唱祭 <標高378m>


平成24年度 合唱祭開催される

第53回 新潟県合唱祭

第26回 久比岐野合唱フェステバル

平成24年6月17日(日) 糸魚川市民会館に、県下53団体の出演を得て盛大に開催されました。糸魚川市はフォッサマグナで全国的に有名な場所です。近くには天下の険「親不知海岸」「子不知海岸」が勇壮な広がりを見せる日本海、そして「ヒスイ海岸」では美しい宝石の一つである「翠」が採取されることもあるのです。

『さわやか すこやか 輝きのまち』にふさわしい、初夏の風物詩『新潟県合唱祭・久比岐野合唱フェステバル』には、中村 義朗先生をはじめとして、県連講師 荒木 京子先生、関根 京子先生のご指導をいただきました。

新潟県は「合唱団・コーラスグループ」活動の顕著な地域だと思います。新潟大学、上越教育大学の学生さんの合唱団やサークルも活発です。また新潟市、長岡市、糸魚川市、上越市、妙高市、三条市、五泉市、柏崎市、新発田市、胎内市などの市民コーラスも日々切磋琢磨しています。今回の合唱祭に参加した演奏者はなんと1100名を超えています。

今回の合唱祭の中でもとりわけ素晴らしかったのは、「糸魚川幼稚園」の35名の園児たちの演奏でした。作詞 相馬御風 作曲 中山晋平 「夏の雲」、作詞 相馬 御風 作曲弘田 龍太郎 「春よ来い」、作詞 星野 哲郎 作曲 米山 正夫「三百六十五歩のマーチ」の三曲を元気いっぱい歌ってくれました。歌う姿勢やきびきびした動作に大人のわれわれも目を見張り、反省させられたことでした。歌唱はとっても明るく、ハキハキとして幼稚園児とは思えない素敵な舞台でした。


わたしたち「妙高高原混声合唱団」14名は、4月から2ヶ月間練習を重ねて来た二曲を披露しました。作詞 星野 富弘 作曲 大田 桜子「母の手」、「木のように」です。
指揮:古川 郁 ピアノ伴奏:池田 祐子先生でした。

秋の『定期演奏会』にむけてみんなで心を合わせて、ハーモニーを高める練習が始まります。今後とも宜しくお願い致します。

最後に合唱祭の開催にお力添え下さいました役員、関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。有り難う御座いました。





2012年6月18日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高377m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 33

ブンブンが大きな岩を目指して飛んできたのを、ガマンは水の中から眺めていました。澄み切ったきれいな水を通して、蜜蜂が何かを掴(つか)んで飛んでいました。その姿がユラユラと映っています。ガマンはそっと水面から目を出しました。



『アマガエルさ〜ん、お届けものですよ〜』とその蜜蜂は言いました。ガマンは、岩の上にのぼって手を振りました。『これ、イモリの奥ちゃんから頼まれたんだ、リンゴの蜜だよ。子供が生まれたのだって?』とブンブンが言いました。

ガマンはイモリの奥ちゃんの事を思い出していました。去年、あのバイカモの揺れる小川で仲良くなったのでした。たしかリンゴ園の池にすんでいると言っていました。

あの日、ガマンが深い水の底からつかんできた、翡翠(ひすい)を奥ちゃんにも一つあげたのでした。アマンに子供が生まれた事を風の便りに聞いた奥ちゃんが、お礼に蜂蜜をプレゼントしてくれたのです。

『ブンブンさん、有り難う。イモリの奥ちゃんに宜しく伝えてね。また遊びに行くって』『じゃあ、ここに置くよ』そう言ってブンブンは、ゆっくりと岩の上にホバリング(注1)しました。そしてそっとスズランの蜜籠(みつかご)を降ろしました。

体が軽くなったブンブンは、ふわっと空中に高く浮かび上がりました。その時優しい風が吹いてきて、一気に大空高く飛び去っていったのです。『さようなら〜。アマンちゃんに宜しくね〜〜』そう言っている声が、ガマンにもかすかに聞こえていました。

ガマンはその蜜籠を口にくわえて、アマンのいる部屋まで運びました。リンゴの花の素敵な香りが、部屋一杯に広がりました。アマンは驚いて目をパチクリとしています。ガマンは、さきほどのブンブンが運んできた蜂蜜の話をして聞かせました。アマンちゃんは、イモリの奥ちゃんの赤いお腹を思い出して、フフフと笑いました。

そして口の中にある秘密の袋から小さな宝石を取りだしたのです。それはあの日、ガマン君からもらった翡翠(ひすい)の一つでした。ガマン君はあの時四つの宝石を探してきたのでした。

一つは、カルガモさんの奥さんに、もう一つはイモリの奥ちゃんに、そして残りの二つは、アマンと自分に分けたのでした。

アマンはあの日からずっとその翡翠(ひすい)の玉を口の中に隠して大切にしてきました。今朝、水辺の草の中に生んだいくつかの卵を見たとき、それはまるでこの翡翠(ひすい)の玉のように、白から青に、そして薄緑にと色を変えてプルプルしていました。

あともう少しすると、アマンとガマンの赤ちゃんカエルが誕生するのです。アマンは自分が生まれた日、お母さんアマガエルがきれいな水を体に掛けてくれた事を思い出していました。

そして自分もきっと子ども達に同じ事をしようと心に決めていたのです。生まれた子ども達は、すぐに川の流れにのって、ちりぢりになっていくのです。お母さんアマガエルと子ども達は、ほんの少しの間しか一緒にはいないのでした。

勉強の部屋:ホバリング(注1)

ヘリコプターが空中で停止している様子 ハチドリやオオスカシバなども花の蜜を吸う時、同じ様な行動(ホバリング)をしますよ。

2012年6月17日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・暖炉の火 <標高376m>



赤倉温泉の老舗ホテル 香嶽楼(こうがくろう)を訪ねて・ぶらりご近所

明治19年10月7日 鹿島建設の棟梁・鹿島岩蔵により創業。芸術家岡倉天心により当時の芸術家・文人・歌人また資産家に紹介され そのなかの多くがこの香嶽楼に滞在されました。創業130年近くを数える妙高高原屈指の癒しスポットです。

写真は夏でも暖炉の火を絶やさないくつろぎのラウンジ。霧に包まれた赤倉温泉の夜はボクの心の中に暖かい火を点してくれました。

(庵主の日時計日記:ぶらりご近所 より)







2012年6月16日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・カモミール <標高375m>



知人の畑にカモミールの花が咲いたので、家内が摘み取りに行って来ました。ハーブテーにしていただくと、『良い香りですね』と皆さんが喜んで下さいます。自然の贈り物に感謝の心を捧げました。

「カモミール」は、「デイジー」によく似ていて、ほのかにリンゴの香りがあります。ハーブティーのほかに、古くから冷え症や生理痛、胃潰瘍や胃炎などの薬として用いられてきました。(アタリヤ農園HP カモミール参照)

(庵主の日時計日記:自然と私より)

2012年6月15日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高374m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 32

アマンはガマン君の作った水草のベッドで静かにやすんでいます。ガマン君は、せっせと食べ物を運んできてくれました。こうしてガマンとアマンはもうずぐお父さんカエルとお母さんカエルになるのです。


その頃、村の淳爺の果樹園(果物を栽培している場所)では、リンゴの花が満開になっていました。甘い香りとその花の蜜を求めて、蜜蜂のブンブンもやってきました。

近くの池の中には、イモリの奥ちゃんが眠たそうな目をしてブンブンを見ていました。


『ブンブンさんこんにちは〜。ちょっとお願いがあるのだけれどいい?』と奥ちゃんは蜜蜂のブンちゃんに言いました。

『なんだい、ボクにお願いってのは』『ほら向こうの山のそばに流れている川を知っているだろう。そこに大きな滝があるんだ。その少し上流に岩があって、そこにアマガエルのアマンとガマンが住んでいるのだよ』。

ブンちゃんは、すぐにその在処(ありか)がわかりました。それは杏子(あんず)の木の近くだったからです。杏子の花が咲く頃、いつも蜜を吸いに行っていたからでした。

『そこへ、その甘い蜜を届けてやってくれないか。アマンちゃんに子供が生まれたらしいのだよ』そう言って、イモリの奥ちゃんは、蜜蜂のブンブンの足に小さなスズランの袋を持たせました。『いいよ、じゃあ行ってくるね』そう言ってブンブンは一直線に滝に向かって飛んで行きました。

ブンブンは、スズランの蜜籠(みつかご)をしっかりと持って川の上を飛んでいます。大きな太陽がキラキラと輝いて、お空は真っ青。ブンブンの透明の羽根は、真っ白い風を切って、ブールル・ルビブルと鳴っていました。

2012年6月14日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・サカハチチョウ <標高373m>




タテハチョウの仲間です  この蝶はサカハチチョウの春型といって橙色が多く春にふさわしい模様ですね 左右の羽の『逆さ八の字(さかはち)』から名付けられたものです


この蝶の夏型は 春のような華麗さはありません(写真はナシ) よく目にするホシミスジやイチモンジチョウのような黒っぽい感じの蝶です 春型は橙色が多いのが雌(♀) 少ないのが雄(♂)です 

ボクはタテハチョウの仲間が一番好きですね 去年写真に写したクジャクチョウはその仲間でもとびっきりのサプライズ蝶でした(下の写真)


(庵主の日時計日記:自然と私より)

2012年6月13日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・ヤマアジサイ <標高372m>





雨の降ったあと溢(こぼ)れるようにヤマアジサイが咲いている

       ホトトギスがせわしなくないて エゾハルゼミが囃し立てた

きのう犬の鳴く声を聞いた でもこの周りに犬はいないはずだ

       野犬が熊でもみつけたのだろうか・・・

『そうかもな』とヤマアジサイが言った様な気がした

(庵主の日時計日記:自然と私より)

2012年6月12日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・トンボ生まれる <標高371m>




ミヤマカワトンボ(雄)12.6.12 am 8:30 清渕川添いの草原

これが今年最初のトンボとの出会いだった これからが楽しみだ

ミヤマアカネはまだ羽化していないようだ まだちょっと寒いか?

(庵主の日時計日記:自然と私より)



2012年6月11日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高370m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 31

ガマン君が何も言わずに、せっせと水草や木の葉を穴の中に運んでいました。春が近づいていて、アマンもガマンも体の中に何かしらパワーが湧いてくるのを感じていたのです。


ガマンはそれが何であるのか知っていました。自分たちももう子供ではありません。いずれは子供を残さなければならない時が来ることを感じていたのでした。

それは、アマガエルとして生まれてきて、今までアマンと一緒に暮らしているからなのです。ガマン君の中に、今までは妹のように思っていたアマンが、そうではないように感じてきていたのです。

アマンはまだそのことに気づいていないようです。でもこの春の太陽は、アマガエルたちにも生命の営みを教える暖かい手を差し伸べてくれているのです。それは大自然の不思議な力でした。アマンもガマンももうすぐその太陽の光を受けるのです。そして彼らの子ども達にも命を与えることになるのでした。

ある暖かい日のことです。この前、上昇気流がツバサ君とアマンやガマンを吹き飛ばしたその山の上に太陽が差し掛かった頃、アマンはお腹の中が、なんだかムズムズとしてきました。

ガマンはその様子をじっと見ていました。そして太陽が隣のお山に暖かい光を当てた頃、ガマンはアマンのお腹を強く押しました。アマンは怖がる事無く、ガマンにまかせていたのです。二匹のアマガエルはお互いにしっかりと、信頼しあっていたのです。

そのうちに、アマンのお腹の中から、いくつもの卵が出てきました。ガマンはその卵の上に、そっと自分の命を放出(はきかけ)ました。こうしてアマンとガマンの子ども達がこの世に生まれ出るきっかけが出来たのでした。アマンとガマンはこの年の春、お父さんカエルとお母さんカエルになったのでした。ほんとよかった。

2012年6月10日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・エゾハルゼミの声 <標高369m>




去年は6月9日にエゾハルゼミの初鳴きを聞いた

今年は5日の暖かい午前中の落葉松林だった

 豪雪のため地中での生活は厳しかっただろう

梅雨に入って初夏になったが ハルゼミがしきりに鳴く高原

夕方杉野沢集落のあたりではよく通る声でカッコウがないている

タニウツギの花もやっと杉の葉にからまって咲いている

飼育しているコオイムシの背中の卵はまだ孵化しないようだ

いやひょっとしたら子供があまりに小さいので

水替えの時に流してしまったのかもしれない

明日からはルーペで確認しながら水替えをすることにしよう

(庵主の日時計日記:自然と私より)







2012年6月9日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・この道 <標高368m>




この道はいつか来た道

ああ そうだよ

あかしやの花が咲いてる




母と歩いたこの道

その先で

母は右に

ぼくは左に

思い出はいよよつのりて

10年の時が静かに流れている


2012年6月7日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・For a rest <標高367m>



       ワイルドだろう・・・

   (庵主の日時計日記:ちょっと休憩より)

2012年6月6日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高366m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 30

アマンはコットンさんの足の水かきの暖かさを思い出して、じっと祈るような目で雲の中を見ていました。コットンさんの銀の羽根が太陽の光を受けて、一瞬キラリと輝きました。

ツバサ君にお礼を言って、アマンとガマンは木の根っこのホロップさんのお部屋に帰ってきました。心配そうにしてホロップさんはみんなが帰るのをずっと待っていたのです。お母さんウサギのミドリーヌさんが、樅の木の飲み物を下さいました。それは冷えた体を温めるとっても美味しいジュースでした。


アマンはホロップさんに空での出来事を一所懸命(いっしょけんめい)話しました。野ウサギのホロップさんは目をくりくりさせ、お鼻にしわを寄せて乗り出すようにして聞いています。

ホロップさんにとって空の上がどんなになっているのか分からなかったからです。地下の穴の中で生活するウサギさんと、大空を飛び回るツバサ君やコットンさんの生活は全く反対だったからです。でもこのアマガエルだって、いつもは水辺で生きているのに、大空まで行って来たなんて信じられないですね。

こうしてアマンとガマンの大冒険もなんとか無事に終わったのでした。それからの数日間は、アマンも岩穴のお部屋の中でおとなしくしていました。その間、ガマン君が冷たい水に潜って、小さな虫や、水もなどを獲ってきてくれました。

それからまた幾日かがすぎていきました。アマン達の周りにも、少しずつ春がやってきているようでした。その日の朝もアマンは岩穴から出て大きな石の周りをゆっくりと泳いでいます。

ガマン君もあちらこちらと泳いではなにやら捕まえていました。そしてきれいな柔らかい水草を岩穴に運び込んでいるのです。アマンはガマン君に聞きました。『ガマン君、それはなにしているの?』

ガマン君は黙って何もこたえませんでした。

2012年6月4日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・光のおとずれ <標高 365m>






【生長の家講習会】

講師:生長の家総裁    谷口雅宣 先生

   生長の家白鳩会総裁 谷口純子 先生

とき:平成24年6月10日(日)10:00〜15:00

会場:長岡市立劇場

問い合わせ:生長の家長岡教化部 
      〒940-0853 新潟県長岡市中沢3-364-1
            
      ℡ 0258-32-8388

今週の日曜日に開催されます、生長の家講習会。お友達を誘ってご参加下さい。

2012年6月3日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高364m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 29

コットンさんは、風のあまり当たらない谷間の岩陰にそってゆっくりと飛んでいきます。アマンもガマンもその銀色の羽根の付け根の素晴らしい筋肉に見とれていました。
この翼(つばさ)のもつ力で遠く北アメリカのアラスカやカナダまで飛んで帰るのです。それも大きなハクチョウやヒシクイの群れに混じって、ただ一羽でついて行くこともあるのです。高い何千メートルもあるような雪の山も越えて行きます。そして海また海の波間も、時にはその波の飛沫(しぶき)が体にかかるほど低く飛ぶ事だってあるのです。

アマンはコットンさんの銀の羽根の中で、今度は本当に眠ってしまっていたのです。ガマン君がその手をしっかりと握って、二度と空に飛んで行かないように必死で踏ん張っていたのでした。

大きな樅の木では、心配そうにツバサ君のお父さんとお母さんが木のてっぺんに止まってみんなの帰りをまっていました。下の木の穴では野ウサギのホロップさんも、アマンやガマンが余りにも遅いので、穴から出てきて樅の木の上の方を見つめていたのです。

『母さんや、あれはコットンさんじゃないか?』『そうですね、コットンさんのようだわ』『後ろからやってくるのは、ツバサだ!』『ほんと!コットンさんに連れて帰ってもらったようね』。だんだん大きくなってくるコットンさんは、静かに樅の木の太い平たい枝を選んで降り立ちました。

白雁たちは、いつもは湖や池の水面に飛行機が滑走路(かっそうろ)に降りるように着水するのです。だから、普段は木の枝にはとまりません。でもこの時コットンさんは、みんなが待っている木にとまってくれたのでした。

『危ないところだったな。みんな大丈夫か?』コットンさんが言いました。ツバサ君のお父さんもお母さんも何が起ったのかまったく分からない様子でした。

ツバサ君が、大きな目をくりくりさせて、一部始終を話ています。アマンもガマンもその時の事を思い出してなんども泣きそうになっていました。

『あの山の近くには行かない方が良い。私も若い頃同じようにこわい目にあっているのだよ』とチャバさんが話しました。『コットンさん、みんなを助けてくれて有り難う』『わたしはあの頃山の上の気流を感じるために飛んでいたのだよ。その時、ツバサ君に出会って驚いたってわけさ。じゃあ、これで失礼するよ。これからアラスカまで一飛びだ』。

そう言うとコットンさんは、大きく羽根をひろげて空中に飛び上がっていきました。アマンとガマンは必死に手を振ってコットンさんにサヨナラをしました。