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【庵主の草枕・夢旅日記(三)】
電車は、朝8:52 近江舞子に到着しました。ここから米原までは各駅停車になります。近江舞子は『琵琶湖周航の歌』に歌われている『松は緑に砂白き、雄松が里の乙女子は、赤い椿の森蔭に・・・』で有名な景勝地なのです。ちょっと気持ち途中下車してみませんか?
ここは夏の湖水浴のメッカですね。近江舞子駅周辺には、なんと苺畑が広がっているのです。栽培されている苺は目一杯降り注ぐサンシャインを受けて、大粒でそれは甘いのです。是非一度お試し下さい。『一期一会』と言うじゃありませんか?・・ん?
私ももう少し若ければ、ウインドサーフィンやヨットなどのマリンスポーツを楽しみたいところですがもうこの歳になっては体がついて行きません。
各停に乗って先ほど通過しました志賀駅で下車すれば、バスに乗って15分でびわ湖バレイ・ゴンドラ山麓駅に着きます。ゴンドラは約8分でびわ湖バレイ山頂駅に到着します。そこから汁谷リフトで10分。汁谷よりいよいよ徒歩、約40分で県下三大渓谷の一つ白谷です。近くには、落差35mの滝が二つ仲良く並んでいるではありませんか。
これぞ知る人ぞ知る、夫婦滝であります。大自然が創り出した景観に驚きます。夏でも涼しいここ白谷、一度来られたら如何でしょうか。霊験灼(あらたか)なスポットで恋人同士、夫婦連れも、一層ラブラブになること間違いなしです(ただし個人差はあると思いますが)。
さて今も叙情歌として歌いつがれています『琵琶湖周航の歌』について車中からではありますが、学習させて頂きます。
琵琶湖周航の歌
作詞 小口 太郎
原曲 吉田 千秋
1 われは湖の子 さすらいの
旅にしあれば しみじみと
のぼる狭霧や さざなみの
志賀の都よ いざさらば
2 松は緑に 砂白き
雄松が里の 乙女子は
赤い椿の 森蔭に
はかない恋に 泣くとかや
3 浪のまにまに 漂えば
赤い泊火 なつかしみ
行方定めぬ 浪枕
今日は今津か 長浜か
4 瑠璃の花園 珊瑚の宮
古い伝えの 竹生島
仏の御手に いだかれて
ねむれ乙女子 やすらけく
まだ6番までありますが、省略させて頂きます。この歌の誕生は、大正6年と言いますから今からざっと、91年前(当時)になります。その年の6月、第三高等学校(現京都大学)二部クルーは学年末の慣例によって、琵琶湖周航に出ていました。
小口太郎ら一行は大津の三保ケ崎を漕ぎ出でて、1日目は雄松(志賀町近江舞子)に泊まり、2日目の6月28日は、今津の湖岸の宿で、疲れをとっていました。その夜、クルーのひとりが『小口がこんな歌をつくった』と同行の漕友に披露し、彼らはその詞を、当時彼らの間で流行していた歌の節に乗せるとよく合ったので、喜んで合唱したということです。『琵琶湖周航の歌』誕生の瞬間でした。(高島市役所サイトマップより)
絣の着物に袴姿、三校の学生帽を被った紅顔可憐な美少年達の青春の歌声が聞こえてくるようです。『バンカラ学生』達の束の間の青春でした。彼らの多くは第一次世界大戦、そして昭和の戦雲のなかで哀しくも散華したのでした。
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