2011年9月30日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高148m>


【流一平さんと京の老舗を訪ねる旅】


お香を聞く 香老舗 京都烏丸二条 松栄堂・その三

『あと、動物性の香料がありますよ』『動物性ですか?』『そうです。庵主さんもよくご存知の、竜ぜん香、これはマッコウクジラから採れる稀少品です。麝香“じゃこう”これはチベット高原に生息するジャコウ鹿・牡の香のうより採取するものです。あと貝香があります』『貝からも採れるのですか?知らなかったな』『螺属“まき貝”の蓋、中国南海、紅海に産し主に保香剤として用いるようです。現在は南アフリカのモザンビーク産の物も使われているとの事でした』

『いや〜、お香は奥が深いですね。驚きましたよ。私はホットウヰスキーに丁子を浮かべて飲んでいますよ。とっても良い香りがして最高なんですよ、あれ』『庵主さんはやっぱり飲む事に尽きますね』

『最後に“香道”。これはお作法ですが、少し覗いておきましょうか』『宜しくお願い致します』『松栄堂の社長様は、“立ち上る香気の異同によって古典的な詩歌や故事、情景を鑑賞する文学性、精神性の高い芸道です。”と教えて下さっています』『我が国独特のものなんですね』

現在では、三條西実隆を開祖とする『御家流』(おいえりゅう)、志野宗信を開祖とする『志野流』が主流になっているそうです。

『庵主さん、以上の様になかなか歴史と伝統が香り立つ香道ですが、そんなに作法に拘らなくっても、お香をたき、それを静かに聞く。そして日頃のストレスを解消する。とっても優雅で、そんなにお金もかからない取って置きの趣味でしょう!』

『流一平先生、今日は有り難うございました。また色々お教え下さった、松栄堂の皆様有り難うございました。早速丁子を放り込んでホットウヰスキーをやりましょうか』『ちょっと、またそっちですか? お香、お香は一体どうなったんですか?』

『お香はちゃんとお香子(おこうこ・タクアン)として、お酒の肴になっております』ではまたいずれ。


お香の匂いにつられてやってきたオオアオイトトンボ by Jun 

 

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