2013年8月31日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・ちょいと怖い蛇 <標高 723 m >

【その名もヤマカガシ】

朝からヘビの話で恐縮ですが この子も立派な生き物です ボクの生活する周辺にいるヘビは アオダイショウ シマヘビ マムシ そしてこのヤマカガシの四種類です

そのうち毒を持っているのはご存知マムシとこのヤマカガシです ヘビ嫌いな人はここでシャットダウンして下さい では画像です


むかしはこのヘビは毒無しと思われていた事もありました 最近の研究では毒蛇という結果に成っています 好物は蛙です それもヒキガエルなのです ヒキガエルはもともと毒を持っています だからそれらを食べると蛙の毒をヤマカガシの頭のどこかに貯めているらしいのです

人間に噛み付く事もたまにはあります 口腔の奥歯の根元に毒線があります だから深く噛まれると危険が生じます でも人間がいたずらをしたり踏んだりしないかぎり噛む事は稀です まあヘビの仲間では「おとなしいヘビ」ですので そっとしてやって下さいね

目立ち易い色模様のヘビです すぐに判別できますからまあ あまり近づかないようにしましょうね

(庵主の日時計日記:自然と私)より

2013年8月30日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・桑の葉とカミキリムシ <標高 722 m >

【触角の立派なキボシカミキリ】
(甲虫目 カミキリムシ科)


桑の木の葉裏にキボシカミキリの幼虫がいました体の大きさの2倍以上もある素晴らしい触角をもっています(体長14〜30mm


深緑色の体に薄黄色の斑点が有ります 色や斑紋は地方によって変異があります

この子は桑の葉を食べています

イチジクやミカンなどの生木も食べるので農家にとっては害虫扱いになるのです 似たカミキリムシにゴマダラカミキリがいます ご参考までに


昆虫は素敵ですね それぞれに個性豊かで お洒落で 自分の事は自分で守る防御ツールを持ち 時には擬態と言って  目くらましや変装術さえも心得ています 素敵な生き物にエールをおくります

(庵主の日時計日記:自然と私)より 

2013年8月29日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・花一輪 恋の笹舟 <標高 721 m >


【花一輪・恋の笹舟(七)】

仏説摩訶般若波羅蜜多心経

「 不垢不浄、不増不減」


『順心様、確かに承りました。女の身とて何も出来ませんが、御仏に仕える者として心から行じさせて頂きます』

その言葉を聞いて順心は、草鞋を履き笠を持って戸口に立った。そしてもう一度春禰尼の姿をみた。尼は頭を垂れて静かに言った。『御身ご大切に、呉々もご安全に御旅をお進め下さいます様。ご無事にてのお戻りをこの尼、御仏に日々お祈り致しておりまする』



 順心坊はその言葉を聞いて、不覚にも涙が零れてきた。修行僧ではあったがやはり人の子、嬉しかったのである。春禰尼も隠れてそっと瞼を押さえた。遠くの杉の木でふくろうが静かに鳴いている。



数日後、順心は山を下りて村を出た。冷たい水が流れる川に木の橋がかかっている。その傍で数人の村人が集まって旅立ちを送ってくれた。しばらく歩いて山道に差し掛かる所に人影が見えた。大きな木の蔭に佇んでいたのは、あの日お互いに見つめ合って別れてきた春禰尼その女(ひと)であった。


順心は、軽く会釈をしてその前を通り過ぎた。その時小走りに春禰尼が近づいてきた。そして順心の袂に小さな結び文を入れた。そして後ろを振り返る事も無くまた走り去って行った。

今回の順心の伊予路への旅は出来る限り行けるところは徒歩で行くつもりだった。歩いて行くことこそ僧の本来の姿であると順心は心得ていた。ただ海を越えなければならないのである、これは致し方のないこと、どうしても船に乗らねばならない。

兵庫の丹波の地を出てもう既に3日が過ぎていた。順心はその頃、岡山の宇野にいた。それまでに道中沿いの寺院をいくつか訪ねていた。もう播州路も吉備路にも、秋が深まっている。



2013年8月28日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・土の中の芸術 <標高 720 m >

【ジャガイモ熊ん子と鶴瓶師匠】



畑でジャガイモの収穫をしていました 沢山の芋の中でひときわ目を引く大きなジャガイモ 暑い炎天下です とりあえず横によけておきました 収穫を終えて家に帰りそのジャガイモを眺めていると 驚きと笑いがこみ上げて来ます 早速写真に撮りました 名前も『ジャガイモ熊ん子』にしました



いろんな角度から撮った写真の中に これもなんとも言えないユニークな形の一枚があります ボクの大好きな笑福亭鶴瓶師匠の頭の後ろ姿です どうです良く見るとそんな感じしません? 『畑に乾杯』土の中の芸術です 自然は時としてサプライズを超えるのです

(庵主の日時計日記:心の内)

2013年8月27日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・よりそって <標高 719 m >

【ミカドフキバッタとノシメトンボ】


オオウバユリの実にミカドフキバッタがとまっています 雨上がりの朝 太陽の光が森の道にもとどいていました


『おはよう!フキバッタさん』明るく声をかけてノシメトンボのおばさんがやってきました 『やっと雨もやんだわね 今日はなにして遊ぼうかな? ね あなたはどうするの?


なんども話しかけています でもミカドフキバッタさんは答えようとはしませんでした 『どうしたのよ 私がきらい・・・?』そう言ったときノシメのおばさんは驚いたような顔をしました 『ごめんなさい わたし知らなかったの ゆるして・・・ごめんなさい

そうだったのです このミカドフキバッタはオオウバユリの実につかまったまま息絶えているのです それは一種のカビ(糸状菌)におかされてこのままの姿勢で死んでいるのです 『フキバッタさん わたしの翅(はね)のそばでゆっくりおやすみなさい 私知らなかったの

そう言ってノシメおばさんとフキバッタさんはいつまでもじっとしていました ボクも写真を写していてとても悲しかったのです

(庵主の日時計日記:自然と私)より

2013年8月26日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・花一輪 恋の笹舟 <標高 718 m >



【花一輪・恋の笹舟(六)】

仏説摩訶般若波羅蜜多心経

「是諸法空相、不生不滅」

自分が不在の間に村人に何があるやも知れない。万一の場合、通夜の枕経や、葬儀には有り難い経などを手向けねばならない時が有るかも知れない。そのお役目をお願いしておきたかったのである。

寂夢庵はまことに質素な小さな庵(いおり)であった。紅葉谷という地名通り、山の奥の細い谷間にその庵はひっそりとつくられている。枝折り戸があって、小さな手水場が入り口に置かれてあった。その水盤の中に幾片(いくひら)かの真っ赤なモミジが浮かんでいる。そこは静寂そのものの谷陰の庵(いおり)であった。

順心は枝折り戸を押して、一歩庵の庭に足を踏み入れた。晩秋の日暮れは早い。奥の山にはもう陽のかけらも残ってはいなかった。小さな鳥たちが周りの木の間を飛び交っている。彼らも間もなく訪れるであろう冬の準備に細々(こまごま)と忙しいようである。

杉の戸を静かに押した。そして網代笠を少し上げて彼は声を掛けた。奥の方で人の動く気配がしている。しばらくすると、春禰尼の声がした。

『これはこれは順心様、このようなむさい所へ。如何なされましたか?』『ああ尼様、ご無沙汰致しております。順心今日は、少しお願いがあって参りました』『お願いでございますか、はて何でございましょう』。そう言って、春禰尼は傍らにある座布団をすすめた。もう陽が落ちて、寂夢庵の土間は暗かった。春禰尼は小さな行灯(あんどん)を引き寄せて灯りをいれた。順心は、尼の横顔にほんのりと紅が挿したように見えた。

『尼様、実は私しばらく旅に出ることに致しました』『旅に・・・?』『はい、老院主の十三回忌も過ぎました。そこで一度老院主の故郷を訪ねようと思いたちました』『どちらまで』『はい、伊予の松山です。まだお寺も残っておりますので』『左様でございますか。それで私に願いとは?』

『私が留守の間に、何か事がおこりました機(おり)、何とぞよしなにお願い致したく』『私めが、順心様に成り代わってお経などを・・』『はい、それをお願いにまいりました』

もう外はとっぷりと日が暮れてしまっていた。その中で順心と春禰尼は、ただじっと向き合って座っていた。はっと我に返った順心は、再び深く背をまげて、春禰尼に拜礼をした。行灯の灯りが一筋障子にゆれて影を濃くした。その時、春禰尼の衣の摺れる音を聞いた。



2013年8月25日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・イトトンボ <標高 717 m >

【アオイトトンボ(雄 ♂)】


雨の上がった午前中 渓流の斜面の草地を飛んでいました たまたま小枝にとまったので運良く撮影が出来たのです この子は体長約40mmほどです とっても美しいトンボですね

この種類にはオオアオイトトンボがいますが
このアオイトトンボより少し大き目の40mm〜50mmほどでしょうか

アオイトトンボ属の4種には アオイトトンボ  エゾアオイトトンボ オオアオイトトンボ コバネアオイトトンボがいますが たがいによく似ていて即座に見分けるのは難しいです

風に揺れてフラフラするので なかなかピントが合わず写真撮影には向かないトンボですね

(庵主の日時計日記:自然と私)より

2013年8月24日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・オオシオカラトンボ <標高 716 m >

【久しぶりにトンボの写真です】




オオシオカラトンボの雌(♀)です ちょっと痛々しい感じですね もう子孫も残したことでしょう 翅もボロボロになって薄ら日の中で休んでいました

昨日の大雨で この子は天に召されて行ったことでしょう オオシオカラトンボの雄はとっても美しい色(濃いめの水色)をしています

またの機会にお見せ出来ると思います

(庵主の日時計日記:自然と私)より

2013年8月23日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・初秋のいもり池 <標高 715 m >

【国立公園 妙高 いもり池】


青空をバックにした 妙高山麓いもり池は美しいところが最近池の面(おも)を睡蓮がびっしりと覆ってしまった

白い睡蓮の花 それに群がるハナバチやトンボの姿が増えた 初夏に生まれたカルガモたちが餌を探して泳ぐ姿は なんとも可愛らしい

観光客の声を聞いてみると 睡蓮がはびこって折角の「逆さ妙高」が見えなくなったそれがちょっと残念だという感想もある

フランスの印象派を代表する画家 クロード・モネの描いた「睡蓮」に心を寄せて感動する人もいる けっこう睡蓮の写真を撮る人は多い

環境面から判断すると あまりにも沢山の睡蓮が繁茂することによって水質が悪くなり 従来からあった希少種の「ひつじ草」などが消えてしまうまた水鳥の舞い降りる水面がなくなり 水鳥がいなくなることも考えられるなど 賛否両論である

ボクは睡蓮愛好家の一人であるから咲いていてほしいのだが 孔子の名言「過たるはなお 及ばざるが如し」の心境であります

(庵主の日時計日記:自然と私)より