2011年6月23日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・聖書に学ぶ <標高73m>

ルカによる福音書 第1818節〜30

『金持ちの議員』

聖書を理解するためには、文字面よりもその背後に書かれてあることを理解しなければならないのです。この話は、金持ちが天国に入るのは難しいといった単純な意味ではありません。アメリカには、富めるキリスト者が多くいます。その人々が救われないのかというと決してそうではありません。

イエスは金持ちの天国に入るのは難しいと言ったのではありません。それでは聖書の、み言葉を読みながら進めてまいりましょう。

18節〜21
ある議員がイエスに、「善い先生、何をすれば永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか」と尋ねた。イエスは言われた。「なぜ、わたしを『善い』と言うのか。神おひとりのほかに、善い者はだれもいない。『姦淫するな、殺すな、盗むな、偽証するな、父母を敬え』という掟をあなたは知っているはずだ。」すると議員は、「そういうことはみな、子供の時から守ってきました」と言った。

ここに出てくるある議員とは、上に立つ人、また別の箇所では青年ともなっています。すなわち若い議員なのでしょう。その議員がイエスに、何をすれば永遠の命を受けることが出来るのかと聞いたのです。永遠の命を受けるとは、「霊的な祝福を受ける」ことです。その時イエスは「姦淫するな、殺すな・・・」とモーセの十戒の事を話されました。

その掟をあなたは知っているはずだと。その議員は言います。そんな事は子供の頃から守って来た事ですと。この議員はこの返答でもわかるように、まじめな議員だったようです。若いのにそのような立派な人物であったらしいのです。

22節〜23
これを聞いて、イエスは言われた。「あなたに欠けているものがまだ一つある。持っている物をすべて売り払い、貧しい人々に分けてやりなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」しかし、その人はこれを聞いて非常に悲しんだ。彼は大変な金持ちだったからである。

さてイエスはその議員にある条件をお示しになっています。持てる物を全て売り払って貧しい人々に施しなさい。議員はそれを聞いて悲しんだのです。自分にはとても出来ないと思ったのです。イエスは、この議員はそれが出来ないと既に知っておられたのです。

この議員は、イエスが言われたモーセの十戒にたいして「子供の頃から守ってきました」と神に対して自分を誇るかのような態度をとったのです。人は日常生活の中で、知らず知らず罪を犯し、間違いもしています。ーーー自分は神の御前ではそのように完璧に生きる事が出来ないのを知っているはずなのです。

間違いを犯した時、私たちは落ち込んでしまって、その先希望が持てなくなる場合があります。また奉仕が出来ない人々は、神に対して何も恵まれないのかと言うとそうではありません。では人生、何をしていても救いの手が差し伸べられるのかというと、これもまたそうではないのです。(明日に続きます)


この道は歩きにくく、そしてまた冷たい。でも歩き続けなさい、そのうちきっと歩く喜びに満たされるでしょう。その時あなたの全心身は温かく健やかになっているでしょう。(庵主のひとこと)

2 件のコメント:

  1. 味わい深いお話でした。多くの人に見て欲しいと思いました。
    なかなか 出来ない事です。少しだけでも近づければ
    良いのかなと 思っております。

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  2. 星の王子 様

    こんばんは。いつもお訪ね下さり有り難うございます。

    2000年も前に書かれた聖書のお話は、まさに現代に通じるものが多くありますね。人間の欲望や政治的駆け引きなど、その臨場感は強烈です。

    でもそんな世の中に決然と立ち上がった青年イエスの純粋な魂と志には感動します。釈迦、キリスト、マホメットなど世の聖人と並び称される人はその根本においては「愛」「平和」「調和」を説いているのです。

    現代の人々の受け止め方がそれぞれにちがっていて、それが宗教戦争に繋がっているのでしょう。人類の覚醒を今こそ果たさねば・・・と思います。

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