2012年5月31日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・うれしい出会い <標高363m>


【まむし草】


いもうとのすきな[まむし草]

まだ小さなすがたですが たしかにマムシの感じがしますね

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・自然の贈り物 <標高362m>


 

きのうの朝 知人に差し上げるウドを収穫しました  良い香りがあたりにただよって大きく深呼吸をしたほどでした

生で食べても 酢みそ和え 天ぷら どれもとっても美味しくいただけます 
自然の恵みに感謝を捧げたよろこびの朝でした

(庵主の日時計日記:自然と私より)



2012年5月30日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高361m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 28

その時ツバサ君の大きな目が一瞬きらっと光りました。雲の中に何かをとらえたようです。ガマンにはまだ何も見えていませんでした。



『アッ、あれはコットンさんだ!』『ツバサ君、アマンも見える?』とガマンが叫んでいます。ガマンには、まだアマンの姿は見えませんでした。ガマンの目から涙がいっぱい流れました。アマンが死んでしまった。あの大好きなアマンが・・・・。

その時ツバサ君が羽根を大きく拡げて、コットンさんに居場所を教えています。遠くからその様子を見つけたコットンさんは、空のかなたから一気に、谷間目掛けて急降下しました。

コットンさんが近づいて来るにつれて、何かを足につかんでいるのが見えました。小さな手と足が風の中でヒラヒラしているのが段々大きくなってきます。やがてそれがアマンだと分かるところまできた時、ガマン君は飛び上がって『やった〜!!』と叫んだのです。

アマンはもう何がなんだか分かりませんでした。コットンさんの足の水かきがうまく風をよけてくれました。そしてやっとの事で谷間の安全な木の枝に連れて帰ってもらったのです。『コットンさん、ありがとう』アマンは泣きながらお礼を言いました。ガマンも一緒になって泣いています。

ツバサ君ももう少しであの凄い風に巻き込まれて、空のはるかに上の方まで飛ばされてしまうところでした。大きな目がまだクルクルと回っていました。

『さあ、樅の木まで帰ろう!』とコットンさんが言いました。『アマンとガマンは私の背中に乗りなさい。そしてツバサは私の後に付いてくるんだ』。白雁のコットンさんは、まるでグライダーが空中を滑っているように悠然(ゆうぜん)と飛んで行くのでした。

2012年5月29日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・山ぶどうの花 <標高360m>



雨上がりの薮のなかに可憐な花を見つけた

茎から直接その花は咲き出していた

蔓(ツル)の感じから山ぶどうに違いないと思う

周りの木に巻き付き広範囲に伸びている


この秋にはわが家の周辺で山ぶどうが収穫出来ると思うと

なんとも嬉しい夢の様な気持ちがして来た

それにしても今まで一度だって助けてやらないのに

季節が巡れば大雪の下から目覚めて生命の証を輝かせる

感謝と感動は至る所でボクを待っていてくれるようだ

(庵主の日時計日記:自然と私より)





2012年5月28日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・In the morning <標高359m>


【おもいやり】



春の野草が覆い尽くした小溝があります 大きな車がすれ違うのにはちょっと技術が必要な道路です たまに車輪を落とす車があるのでこんな標識をたてた方がおられます 


ユーモラスな看板でしょう ちょっとした思いやりと気遣いが 事故のない妙高高原での楽しい滞在の一助になるのです 優しい心をもった方に感謝をした今朝の風景でした

皆さん こんなクリーク(小川)にも渓流の女王・イワナが棲んでいるのですよ 今日も一日ご安全にお過ごし下さい

(庵主の日時計日記:自然と私より)

2012年5月27日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高358m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 27

どんどん黒い森が近づいてきます。手と足をいっぱいに広げてアマンは必死で浮かび上がろうとしましたが、それはアマンの力ではどうにもならないことでした。

その時でした。上空の黒い雲のなかに小さな鳥のようなものを見た感じがしました。それは確かに鳥の姿でした。でもフクロウのツバサ君ではありませんでした。ひょっとすると、あのおそろしいトンビのピンヨロさんではないでしょうか?その鳥はアマンを目掛けて一直線に近づいてきます。下には恐ろしい黒い森が広がっています。

上空からはものすごい顔で一羽の鳥が自分を目掛けて襲いかかってくる。『お母さ〜〜ん、助けて〜〜!』とアマンは最後の力を振り絞って叫びました。その瞬間、白雁のコットンさんは、アマンの体を優しくつかみ取ってくれたのです。一瞬食べられてしまうのではないかと体を固くしたアマンでしたが、その鳥の優しい仕草にほっとしたのです。こわごわ鳥の顔をそっと見上げました。



真っ白な頭、金色のクチバシ、体には光るような銀色の羽根がいっぱいはえていました。それはアマンが生まれて始めてみた鳥でした。『私は白雁のコットンだ。危なかったな、もう少しであの深い森に落ちてしまうところだったよ、あそこに入り込んだらだれも二度と出てこられないと言われている密林(ジャングル)なのだよ』。

コットンさんはそう話しながら、ツバサ君とガマンが待っている谷間の蔭に向かって飛び続けました。その足にはしっかりとアマガエルのアマンを握っています。アマンの冷えていた体がコットンさんのぬくもりで温かくなってきました。そして怖さとつかれとでちょっとだけ眠ってしまったほどでした。

その頃、お兄さんフクロウのツバサ君とガマンは谷間の岩陰の木に止まって、じっと空を眺めていました。雲がものすごい早さで、か黒い太古の森の方に流れて行くのが見えています。まだ空の中には、コットンさんの姿は見えてきません。ガマン君はじっとこぶしを握って、アマンの現れるのを今か今かと待ち続けていました。

2012年5月25日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・今朝のよろこび <標高357m>


【カッコウの声を聞いた日:5月24日午後4時高原村】

 ちょっとくぐもった声で 何度も鳴いてくれた

それは夕方の森 北の方からだった

一年間ご無沙汰の友人に出会ったような懐かしさが

瞬時にして胸のなかに込み上がってくる

おまえの声が聞きたくって 待ち続けたこの5月

『ボクの耳が癒されて 聞こえたカッコウの声』

『ありがとう だからもうしばらくここにいてほしい』
 
(庵主の日時計日記:自然と私より)



 

2012年5月24日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高356m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 26



アマンはその頃、ふわっとした雲の中に浮かんでいました。どうやらそのあいだ気絶していたようでした。アマンの体はとっても小さくて軽かったので、風や雲に流され包まれて、まるで海の波間に浮かんでいる感じだったのです。

その時アマンの前にお母さんが現れました。アマンに優しくこう言ったのです。

『アマンや、大丈夫だよ。きっとうまく助かるからね。風や雲に逆らうのじゃないよ、じっとしておいで。きっとその時が来るからね・・・そう信じて・・・』そう言って、お母さんは、す〜っと消えていきました。

ツバサ君は風の静まるのをまっています。ガマンもあちらこちらとアマンの姿を探しているようです。その時でした。山の陰から大きな一羽の鳥が現れたのです。

それはツバサ君のお父さんの友人で、白雁(はくがん)のコットンさんでした。コットンさんはツバサ君を見つけるが早いか、すごい早さでグングン近づいてきました。

『ツバサじゃないか。こんなところでいったいどうしたのだ!』と大声で言いました。体じゅうの羽根が強い風でバサバサと毛羽だっていました。ツバサ君は今までの事をコットンさんに素早く話しました。

『よ〜し、私がそのアマンちゃんとやらを探してこよう。お前達はあの谷間の蔭に入っていなさい。あそこなら大丈夫だ』そう言って、コットンさんは雲のなかに飛び込んでいったのです。

その頃アマンは急に体が冷たくなってくるのを感じていました。この空の上は、まるで氷の中にいるようでした。このまま凍って死んでしまうのではないかと思ったりしたのです。

でもお母さんが、きっと助かると言ってくれた言葉を何度も思い出していました。

しばらくすると急に雲のなかに小さな穴があいて、下の景色が見えました。そこには今まで見たこともないような深くて黒い森が広がっていました。相当風に流されてしまったようです。そして今度は森の方に引っ張られるように落ちて行ったのです。




2012年5月23日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・今朝のよろこび <標高355m>




爽やかな朝 山の精がはきだす霊気は

億兆の細胞に生きるエネルギーとパワーを与えてくれる

黒姫山のいただきに我が祈りを捧げる

天よ有り難う 地よありがとう 空気よ火よ水よ

暖かみよ冷たさよ 天地一切のものは神の現れである


        

今年もウドが顔を出した

5ヶ月の間 雪の重さに耐え冷たさをしのぎ

ようやく日の光を浴びて香り出た山菜の一群(ひとむら)

妙高山麓にはいま歓喜(よろこび)の歌が充満している

(庵主の日時計日記:自然と私より)




2012年5月22日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・高原の生き物たち <標高354m>


【コオイムシ】



暖かい日 近くの小溝に珍しい水生昆虫を見つけました

はじめゲンゴロウかと思っていましたが 飼育して驚きました

そのうちに背中に卵を産みつけられたのが泳いでいたのです

この水生昆虫はコオイムシでした

雌が雄の背中に卵を産みつけて孵化させるというユニークな

生き物なのです ボクの子供の頃(50年以上も前)には

近所の川やため池にはたくさん見られたものでした

タガメやタイコウチ、ゲンゴロウにミズカマキリなど

いまとなってはその数は激減し 絶滅危惧種に近いものも

いるのです コオイムシもその仲間です 是非子供を孵化させて

またもとの小溝に放ちたいと観察を続けています

(庵主の日時計日記:自然と私より) 

2012年5月21日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高353m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 25

さすがのツバサ君もこの上昇気流(注:1)には手も足も出ませんでした。風の吹くままにただ羽根をいっぱいに広げてただよっていたのです。


その時でした。なんと山のてっぺんによく出る乱気流(注:2)にツバサ君は巻き込まれてしまったのです。ツバサ君は大きく上に持ち上げられたかと思うと、また一気に真逆(まっさか)さまに、ものすごい勢いで落とされました。

アマンもガマンも必死でツバサ君の背中の羽毛にしがみついていますが、その風の力はとても小さなアマガエルの手ではどうにもならないほどの強さでした。

『アマ〜〜〜ン』とガマン君が必死で叫んでいます。なんとアマンがその風の力で浮き上がって、大空に吸い込まれてしまったのです。少しの間小さな手と足が動いているのが見えていましたが、それもやがて雲や霧の白い流れの中に入ってしまって何も見えなくなってしまいました。

『ツバサ君、アマンが飛ばされてしまった!!』と背中でガマンが大きな声で叫んでいます。でもこのうず巻きのような乱気流は、まだ若いフクロウのツバサ君の力ではどうする事も出来なかったのです。

その時ツバサ君にはお父さんの声が聞こえて来ました。それはこう言っています。

『風の力にさからうな、そのままじっとしているのだ。そのうちにきっと抜け出せる時が来る。それまでじっと待つんだ』。それはツバサ君が飛ぶための訓練をお父さんから受けていた時になんども教えられていた事だったのです。

ツバサ君は大きな目をしっかりと開いて、雲の流れを見ています。ガマンもツバサ君の背中にしっかりとつかまって、空一面をぐるっと見渡していました。

勉強の部屋] 上昇気流(じょうしょうきりゅう)注:1

上に向かっての空気の流れを言います。この空気の流れの中では、天候が崩れやすいと言われています。ツバサ君達を吹き上げたこの気流は、空気が山に沿って上昇する時に起こるのです。

乱気流(らんきりゅう)注:2

この気流は、強い風が山頂を超えるとき、上空の風下側によく発生します。時には、強い渦(うず)の中心に、一瞬、雲が発生することもあります。その周辺ではなんと風速6080メートルという突風が吹くこともあるのです。飛行機の事故はこんな時に起こります。(富士山自然探訪参照)

2012年5月20日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・今朝のよろこび <標高352m>



早朝の作業を終えて ほっと一息つく安堵感

空は青く 木々は限りなく緑に萌えて

聞こえてくるのはイカルの声と清渕川の水音

妻が用意してくれた餅ふたつとキウイフルーツ

素手で食べる遅めの朝食の場に クヌギの香りが漂う

春来たりなば 冬の準備を 

気がつけば『神想観』の行に入っている自分がいた

(庵主の日時計日記より)

2012年5月19日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高351m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 24

大きな羽根をいっぱいに広げてお兄さんフクロウのツバサ君は樅の木のてっぺんから森の木の上を目掛けて飛び降りました。その時、強い風がさ〜〜っと吹いてきて、ツバサ君を大空の途中まで運んでくれたのです。



『だいじょうぶか〜い?上の子たち〜〜』とツバサ君が叫んでいます。『素敵よ〜〜、ほら森の樅の木があんなに下に見えているわ!ツバサさん、大丈夫ですよ』とアマンが大きな声で答えました。


ガマン君は必死でアマンの体を支えていました。と言うのも、山の上の方から時たま、ものすごく強い風が吹いてきて、アマン達の体を吹き飛ばしそうにするのです。

アマンは大きく背伸びをしたりして、その風をまったく気にもしていない様子です。『ほら、あそこがゲロッポさんの水車小屋だよ』とツバサ君が教えてくれます。水車小屋も雪で真っ白に変わっています。それでも水車(みずぐるま)は今日もしっかりと回っています。

『ゲロッポ小父さ〜〜ん』とアマンが呼びかけていますが、とてもその声はゲロッポさんのところには届かないようです。ツバサ君はゲロッポさんの水車小屋の上を飛び越えて、大きな川の上にやってきました。



白い泡のような滝が見えています。あの滝はアマンが青大将に食べられかけた時に落っこちた、川の下流にある滝でした。危機一髪(ききいっぱつ)であの滝に落ちこむところをガマン君に助けられたのでした。

『ガマン君、私たちのお家が見えるわ、ほらあそこ!』アマンが背伸びをしてガマン君に話しかけた時でした。川の方からものすごい風が吹き上がってきてツバサ君を一気に山の頂上付近まで吹き飛ばしたのです。

『ウワア〜〜みんなしっかりつかまってろよ。頭を下げてエエ〜。こりゃ大変だ




2012年5月18日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・ぶらりご近所 <標高350m>


【妙高パインバレー・アパホテルリゾート】



ホテル、結婚式場やチャペル ゴルフ場と天然温泉

フィッシングゾーンや昆虫採集が出来る森林エリア

サイクリング テニスコート インドアプールなど

健康的な遊びのフルコースがここにはそろっています

その日わたしたちは 夕食バイキングを楽しみました

春の山菜料理などもならんでいて 質の高い

とっても美味しい満足度100%の内容でした

夏にもう一度楽しみたいと思いつつ霧の山道を下りました

(庵主の日時計日記より)






2012年5月17日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・今朝のよろこび <標高349m>


【妙高山の雪形の一部 2012.5.16】


残雪の山肌に現れた雪形

個人の主観によっていろんな模様に見えますが
昔から伝えられて来た畑や水田の作業開始の目安にもなっています

(右下方)ゴンキツネにも見えます リスだと言う人や
見る場所によってはチュウリップの花とも・・・どうでしょう?

(山腹中央)下の模様はボクには馬車に乗っている
馭者(ぎょしゃ)に見えます
昔観たベンハーの映画の馬車による戦闘シーンともラップして
さて皆さんは何に見えるでしょうか?









2012年5月16日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高348m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 23

ツバサ君は、しばらくしてこんな事を言いました。『どうだい、ガマン君、アマンちゃん、空を飛翔(と)んでみたくないかい?』『空?とんでみた〜い。広い空、アマン大好き』。ガマン君は何か心配そうにしています。


まだ十分にツバサ君の事を知らないガマン君でした。『ね〜ツバサ君、どうしたら私、空を飛べるの?』『ああ、それはね、ほらここに乗るんだよ。ここ』。ツバサ君は大きく羽根を広げて、自分の背中を見せました。

そこには柔らかい毛が沢山はえていて、暖かな羽毛布団(うもうふとん)の様です。『ここに入ってそして、この羽毛をしっかりつかんでいればいいのさ』『へ〜え、この背中に乗っかって、空に行くんだ!ガマン君、一緒に行こうね』『そうだね、ボクも行こうかな』。ガマン君はしぶしぶ返事をしました。

こうして二匹のアマガエルはお兄さんフクロウの背中に乗って大空に飛んでいく事になったのです。ホロップさんもいきたそうにしていましたが、体が大きいのでそれは出来ませんでした。

ちょっぴり残念そうな顔をして、木の洞穴の外でその様子をじっと眺めていました。ツバサ君はアマンとガマンを背中の柔らかい羽毛の中に包み込むと、『さあ、しっかりつかまってるんだよ。いち、にの、さん そ〜れ!』と言って一気に飛び上がったのです。

そして樅の木のてっぺんまで飛び上がりました。アマンは体がす〜っと浮かび上がったような不思議な気持ちがしました。でもしっかりとツバサ君の羽毛に両手でつかまっていました。

さすがガマン君は片手でつかまって、もう一方の手でアマンの体をしっかりと支えてくれていたのです。

ツバサ君のお父さんとお母さんが木の枝にとまって、ツバサ君の様子をじっと見ていました。お母さんはなにか、心配そうにしています。お父さんは大きな目と長い耳を動かせながら、ツバサ君の大きな羽根が風の流れを上手く受けているのを見て、大きな目を少し細くしたようでした。

さあ、これからアマンたちを背中に乗せたツバサ君が雪の大地に向けて一気に飛び出して行くようです。体中の羽根が風にパサパサ、ブルルと振るえています。ツバサ君が『じゃ〜〜、行くよ〜〜、Haaa~~ii』と大きく一声かけました。

2012年5月15日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・今朝の感動 <標高347m>




雪が解けて10日を過ぎた頃

やっとゼンマイが顔をだした

これを摘んで よく洗って 茹でて

天日干しにして あと 両手でよって

また干して 
.
.
.

なかなか物になるまでが大変だが

美味しいゼンマイの煮物を楽しみに

やってみるか

(庵主の日時計日記より)

2012年5月13日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高346m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 22

『こんにちは。ボクこの上に棲んでいるフクロウのツバサです。よろしく』と大きな目と曲がったクチバシを動かして話します。

『わたしはアマガエルのアマン』『ボクは水中アマガエルのガマンです』『はじめまして』。と二匹のアマガエルは声をそろえて一緒に言いました。
『ツバサ君、ほらゲロッポ小父さん知ってるだろう。一度美味しいお蕎麦(そば)の粉を食べさせてもらった』『ウンおぼえてるよ』。

『この可愛いアマガエルさんたちと、あそこで友達になったんだ。ツバサ君も仲良くしてね』『こちらこそ、お友達にしてね』。そう言ってツバサ君はお部屋一杯に翼(つばさ)を広げて見せました。

白や黒、そして灰色の羽根がとっても暖かそうです。首のまわりと目の縁は金色の毛が生えています。アマンはなんだか、うっとりと見とれていました。そばでガマン君がちょっと拗(す)ねた素振りをしたのが面白かったのか、ホロップさんがファルファルファルと笑いました。

その時隣の部屋からお母さんウサギのミドリーヌさんがなにか手に美味しそうな物をもって入って来ました。右手にはツバサ君が大好きな、胡桃(クルミ)。左手にはアマンやガマンが喜びそうな、白樺の木のシロップ(注:1)だったのです。

『ようこそ、ツバサ君。アマガエルさんたちも、ほら美味しいよ、どうぞお食べ』そう言ってミドリーヌさんは、柔らかい草の上にそれをそっと置きました。

ホロップさんが、クルミを一つツバサ君に渡しました。大きな目をクリクリさせてそのクルミをオレンジ色のクチバシで咬むと、がりっと音がして中から白い実が出てきました。アマンは小さな目を精一杯見開いてその様子を見ていました。

『アマンちゃん、食べる?』とツバサ君が白いクルミの実をくれました。おおきな羽根がアマンの身体を包み込むように広げられています。アマンは生まれてはじめて鳥にふれたのでした。柔らかい毛がとっても暖かで木の葉のにおいがしました。

勉強の部屋:白樺(しらかば)の木のシロップ

白樺の木は海外ではナース・ログとも呼ばれています。森の看護婦(かんごふ)と言った意味です。それくらい人間に役立ってくれる樹液(じゅえき)があるのですよ。まだ雪が残っている春先に、白樺の幹に穴をあけて、流れ落ちる樹液を容器にためるのです。この白樺シロップは、ほんのり甘みがあって豊富なミネラルや、皆さんが食べるガムにも入っているキシリトールなどの成分が含まれているのです。

2012年5月10日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・癒しの風景 <標高345m>



すっかり雪のとけたいもり池の散策遊歩道

妙高山にはまだ雪がたくさん残っています

GWには行列ができたほど賑わいました

今はひっそりとして落ち着いた癒しの風景が広がっています

(庵主の日時計日記より)






酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高344m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 21

『アマン、よくお聞き、フクロウさんは僕たちアマガエルを友達だと思わないよ、きっと』『どうして?』『あの青大将やヌートリアと同じで、カエルを捕まえて食べてしまうんだ・・・』『ほんとう?アマン、怖い!』。



そこにホロップさんが入ってきました。なにかちょっと変な感じのガマンとアマンを見て首を二三度傾げました。

『どうかしたの?なんだか変だよ』『ホロップさん、今の話聞いちゃったんだ。ツバサっていう、フクロウのこと』『それがどうかしたの?』『うん・・・フクロウはカエルを食べるだろう。それで・・・』。

『そうだね、フクロウはカエルやトカゲが大好物だね。でもそれがどうかしたのかい?』『どうかするなんてことじゃないと思うんだ。アマンもボクも食べられちゃうよ』。

『ファルファルファル、ああそんなことか?なら心配いらないよ。チャバさんはボクのお父さんにツバサ君を助けてもらったろ、だから僕たちの友達にはけっしてそんな事はしないよ』と笑いながら言いました。

『ほんと、ホロップさん!』とアマンが目を大きくして言いました。でもガマン君はまだ心配そうにしています。『それとね、チャバさんはフクロウさんの仲間では、草食フクロウと呼ばれていて、草や野菜が好きらしいよ』『へ〜、そんなフクロウさんがいるの?』『あの人間だって、肉を食べない人も沢山いるってお父さんが言ってたよ』。

アマンには何の話かよく分からなかったのです。でもホロップさんの言葉を聞いて心がす〜っと楽になったようでした。表の方でバタバタと大きな音がしました。フクロウのツバサ君が木の上から降りてきたようです。

そしてアマンたちのいる、水辺の部屋にやってきました。小さなお耳がピンと尖(とが)っています。なんとその目はアマン達が今まで見たこともない大きな目でした。暗い部屋の中でそれはまるでサーチライト(注:1)のようにランランと輝いていました。ツバサ君はもう立派なお兄さんフクロウだったのです。

勉強の部屋サーチライト(注:1

夜、暗闇を照らす懐中電灯のお化けのような強力な装置(そうち)です。サーチと言うのは探すと言う意味。ライトはヒカリです。だから光を付けて何かを見たり探したりするものなのです。

皆さんも見たことがあるでしょう。大きな建物の屋上から明るい光が回りながら周囲を照らしているのをね。あれもサーチライトの一種です。でも最近は交通の妨げになる事もあって少なくなりましたよ。

2012年5月8日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高343m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 20

その部屋に流れている水はとっても冷たいのです。そしてちょっぴり甘い味がしました。いつぞや向日葵(ヒマワリ)さんが話していた、「お砂糖の泉」のようでした。



『おい、ホロップや、友達がみえているぞ』とパグさんの声がしています。どうやらホロップさんとお母さんウサギのミドリーヌさんが帰って来たようです。

ホロップさんは、アマンたちのいる水の流れる部屋にやってきました。木の実をいっぱい拾ってきたようです。野ウサギたちにとっても、ここでの厳しい冬を越すためには栄養のある木の実が欠かせませんでした。

『やあ、ガマン君、アマンちゃん。こんにちは。ここすぐに分かったかい?』『この辺りで一番大きな木といったらこの樅の木だものね。すぐわかったよ』『とってもいいお部屋ね。アマン気にいっちゃった』『そりゃよかった。ゆっくりしていってよ』。そういってホロップさんは、隣の部屋に行ってしまいました。


ホロップさんはお父さんのパグさんに何か話しているようです。ちょっと聞いてみましょうか。

『父さん、チャバさんちのツバサ君遊びに来ないかな?』『さあ、どうだろうか。呼んでみようか?』『おねがい!』。
パグさんが大きな木の洞穴(ほらあな)に向かって叫びました。

『チャバさんよ〜〜。きょうはツバサ君いるの?』しばらくして上の方から声がしました。『いるよ〜〜。今寝てんだよ。すぐ起こすから待ってて〜〜』。

しばらくするとツバサ君の声がしました。『ホロップ君、どうしたの〜ネムネム』『友達が来てるんだ。アマガエルのガマン君とアマンちゃんだよ』。

その声を聞いた時、ガマン君はとっさに身構えたのです。アマンちゃんはその姿を見て驚きました。『ガマン君、どうしたの、そんなにこわい真剣な顔して・・・』

2012年5月6日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・一輪の感動 <標高342m>

カタクリの花

庭に咲いた一輪だけのカタクリの花

よくぞ散らずに待っていてくれたね

この感動をいつまでも忘れないよ

(庵主の日時計日記より 妙高山とカタクリの花)



2012年5月5日土曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・In the morning <標高341m>



『落葉松の芽がでる北国の 北国の春』

歌の一節ですが この落葉松の新芽は

ボクにとっては自然の目薬だ

昨年はこの新芽が電波障害を引き起こし

テレビがうつらなかったが 

今年は地デジになって問題は解決した

緑の風のなかでまず健康に感謝したい

天地一切の人・物・事に心からの有り難う

(庵主の日時計日記より)

2012年5月4日金曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高340m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 19

『ガマン君、ホロップさんのお家は遠いの?』『そうだな〜、あの太陽があっちの山の大きな木にさしかかる頃に着くくらいかな』。アマガエルたちには時計などありません。

だからこんな見方になるのでしょうね。『それじゃあ、ガマン君のお腹が二回グウッ〜となった時ね』『なんだよ、そのお腹のグウッ〜というのはさ?』

『ガマン君のおなかは朝起きた時、必ず一度鳴るは。そしてお昼に二度目。夕方になった時に三度目のグウッ〜が聞こえるの』アマンはそう言ってケロコロロと笑いました。ガマン君は恥ずかしそうに頭に手をやっています。こうして二匹のアマガエルたちは、森の奥、ホロップ(野ウサギ)さんの樅(もみ)の木のお家を目指したのです。

周りはすっかり冬の景色でした。山の上は雪で真っ白です。でもアマガエルたちは水の中に入り、泳ぎ、また歩いて、山の大きな木の上に太陽がさしかかったころ大きな樅の木の家の前までやってきたのでした。

その樅の木はびっくりするほど背が高く、周囲は向こうが見えないくらい太く、大きかったのです。横に張り出している長い枝には、樅の木とはちがった草や木が生えているのでした。その木の年齢は、アマンやガマン君のお爺さんの又お爺さん、そのまたお爺さんの年齢よりもずっと老人でした。

よく見ると木の根っこにぽっかりと穴が空いています。ここがどうやら入り口らしいのです。ガマン君がおそるおそる中を覗(のぞ)いています。でも中は真っ暗でした。しばらくすると、ガマン君の目がその真っ暗になれてきました。

『こんにちは、だれかいませんか?』『ホロップさん、こんにちは』。アマンも穴の中にむかって大きな声で呼びかけました。

その時、奥の方からノソリノソノソと出てきたのは、ホロップさんのお父さんウサギのようでした。腰のあたりに手を当てて、少ししんどそうでした。ゲロッポ小父さんが言っていた、あの台風の日の出来事で腰を痛めたのでしょう。

『こんにちは、ボク水中アマガエルのガマンと言います』『私はアマンです。ホロップさんとはお友達です』『私はパグです。ホロップは今、木の実を掘りに出掛けとるよ。もうすぐ帰ってくるじゃろうよ』。とお父さんウサギのパグさんは言いました。

『そこは寒いじゃろう、さあ早く中に入りなさい』そう言ってパグさんは腰に手を当てながら奥に入って行きます。アマンとガマンもその後をついてピョコピョコと入っていったのです。

その家は広い部屋がいくつもありました。暖かいワラが敷き詰めてある部屋。沢山の木の実が置いてある倉庫のような場所。奥には大木の幹から自然に流れ出ている水飲み場のある部屋などでした。

この木のてっぺんには、ふくろうのチャバさん一家が棲んでいるのです。かすかにチャバさんの鳴く『ホッホホッホ』という声が聞こえています。なんだかまるでお伽(とぎ)の国、ファンタジーの世界(注:1)に迷い込んだかのようでした。

澄んだ水の流れている部屋にアマンとガマンは案内されました。この樅の木に降った雨が木の幹を伝って流れて落ちてくるのです。この部屋はその水が集まってまるで泉のようにあふれているのでした。

勉強の部屋 :ファンタジーの世界(注:1

わかりやすい言葉で言うと、空想的な世界とか素晴らしい夢のような世界といった意味でしょうね。まあお伽噺(おとぎばなし)や、メルヘン(童話)の世界と言ってもいいでしょうね。と言うことは、この「アマン・ガマン・ゲロッポのお話」もファンタジックな世界なのですよ。

2012年5月3日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・日本海の幸 <標高339m>



日本を代表する『出世魚』鰤(ブリ)

関西ではこの大きさ程度ならツバス 東北地方ではフクラギ

30〜40センチになるとハマチに名を変えます 東京ではイナダ

そしていよいよ大きく育った50〜60センチをメジロという
この呼び名はどうやら全国区らしい

そして80センチ以上になるとゴールドメダリストの『鰤(ブリ)』となる

なかには1メーターにもなるのがいて
和歌山県ではオオイオ 九州北部ではオオウオとも呼ばれています

ボクの周りにも釣り好きの方がいまして 先日大漁だったそうで
早春の日本海の幸 とれとれのツバスを下さいました
ちなみに富山県風に言うとキトキトのフクラギと表現するのでしょう

早速3枚におろして刺身にしていただきました コリコリ・あっさり味で
とっても美味しかったので ここに感謝をこめてアップいたしました




2012年5月2日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高338m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 18

アマンはこれからずっと、ガマン君と一緒にいようと心に決めていました。あのゲロッポ小父さんの水車小屋に泊めてもらった夜、ガマン君が一晩中寝ないで自分を守ってくれていたのを知っていたのです。そっと薄目を開けてその様子をみていたのでした。夢をみて、涙を流したのだけではありませんでした。


ガマン君のその優しさに心打たれたのです。ガマン君がアマンの目からこぼれ落ちた涙のしずくを、すくってなめたのもちゃんと知っていたのです。

ガマン君も、まるで自分の妹が出来たように感じていました。少しだけガマン君の方がお兄さんでした。このようにしてアマンとガマンは、これからお互いに助け合って生きていこうと心に決めたのでした。

その日からもう二ヶ月の月日が流れていました。ここアマンたちの棲む、谷川の景色も秋から冬に変わろうとしていました。この辺りは冬がとっても寒いところなのです。雪も沢山降ります。冷たい風もピューピューとうなり声を上げて吹いてくるのです。

ガマン君のお家は、とっても暖かくしてありました。大きな岩の穴の中にそのお家はありました。入り口は狭く出来ています。それはあの恐ろしい青大将が入ってこれないようになっているのです。

そして中に入って行くと、段々と広くなって、アマンたちが冬の寒さを感じることのないように丁度良い具合のお部屋になっているのです。

そこにはいつもきれいな水草がしきつめてありました。しっかりとした石のカベでおおわれて、その上とてもがんじょうに出来ています。チョットくらいの大水でも平気、地震が来たってびくともしないほどの出来映えでした。実はこのお家はアマンとガマン君が力を合わせて作り上げたお家だったのです。