2013年2月3日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・ジャズパブ維摩 22 <標高543m>



常連のみんなが寄り集まって、私が万一入院になった時の『維摩』のお店の管理について話し合ってくれた。なんと有り難い仲間でありましょうか。新谷暁子さん(通称あきちゃん)が私の代わり。そして株屋の浜ちゃんが、買い出しや力仕事を担当。

時間があいた時は、ハヤマさんがお手伝い。それから、あの白スカーフの新谷誠さん(通称まこっちゃん)も音楽担当で手伝ってくれるようだ。こんな事を書くと、すでに入院決定のようだが、私としてはこの際、一度リニューアルしたかったのであります。

市民病院の先生の診断結果は、やはり肝機能に問題があるとの事で入院加療を要すとの事でありました。5月のゴールデンウークが終わったその明くる日、私は生まれて初めて病院に入院したのでありました。あきちゃんが付き添って手続きなどを済ませてくれたのには助かりました。

入院した病室は、6人部屋でしたが、海の見える窓際の綺麗な部屋であった。私の入院が、浜ちゃんとあきちゃんを一層親密な関係にしたのも当然の結果だったのでしょう。どうやら二人は、よんどころない間柄になったらしく、いずれ結婚という事になるようでありました。

ハヤマさんの所属している市民劇団は、この秋に一ヶ月間の上演を予定しているミュージカル『船坂 長安 作・演出 港町エレジー』の練習が始まって多忙になった。作者の庵主様も、その演出に時間を取られる日々が続いているようだった。

私は病院で一通りの検査を行い、やっとベッドに戻ってきた。美しい神戸の港には、外国から大きな帆船がやってきて、その優雅な姿を静かに憩わせていた。そんな夜、妻の夢を何度かみた。優しい笑顔がいつまでも脳裏に残っていた。目が覚めたとき涙でマクラが濡れていた。いずれは妻のもとに行けるだろう。まだもう少しこちらで頑張らねばと海を見ながら思ったのであった。

見舞いに来てくれたあきちゃんの口から思いもよらない話を聞いた。ハヤマさんと新在家甲六師匠が真剣な恋に落ちている事。今年は、ジャモウとランジェをはじめとして、浜ちゃんとあきちゃん、そしてハヤマさんと甲六師匠。

まあ目出度い年になりそうであった。私もこうしてはおれない気持ちが功を奏したのか、それから間もなく退院する事が出来たのであった。40日間の入院生活であった。退院したとはいえ、通院は余儀なくされていた。

この年の梅雨はどちらかというと異常であった。梅雨入りしたと思ったら良い天気が続き雨が降らない。降り出したら集中豪雨の様相を呈して、各所で大きな被害が出ている。

ここ神戸の街でも梅雨の大雨で山手の崖が崩れたりした。幸いこの海岸通りの『維摩』は普段と変わらない。そんな頃、一通の手紙が舞い込んできた。

いっしゅはんのもとに送られてきた手紙。差出人は?その書かれてあった内容とは?新しい展開が幕開くようです。どうかお楽しみに。今日もご安全に、ご機嫌ようさようなら。


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