2013年2月20日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・ジャズパブ維摩 25 <標高552m>




神戸もどこにおとらず9月の残暑はまだまだ厳しい。港には大きな造船所が二つあって、大型タンカーや海上自衛隊の潜水艦までが建造されている。その造船会社の友人に誘われて、私は生まれて初めての『進水式』なるものを見学に行ってきました。

お供は、あの疾風真麻さんと、安曇川麻実さんの美女二人を携えてでありました。その日は『リベリア』船籍の貨物船の進水式が行われたのです。関係者が集まって、消防音楽隊が国歌を吹奏する中で、舷側の紅白の紐に吊された日本酒の瓶が船首にバウンドしてパカッと割れた。飛び散る酒が陽に映えてかすかに虹を掛けた。

句須玉が割れると、あたりには一面の花吹雪と五色の風船が舞い上がった。参列者の盛大な拍手におくられて、貨物船は母なる水面に浮かび、無事進水しました。昔は鯨油などを使って船を滑らせたようだが、今となっては鯨油が手に入らないとの説明でした。

詳しい進水式のあり方は、後日友人から酒の肴にじっくりと聞くことになるので、それに譲りましょう。ハヤマさんとマミさんは殊の外感動したらしく、しきりにデジカメで写真を撮っていたようだ。

船員さんの真っ白な制服と、足の長い格好良さに二人とも感じいったらしく暫く口をきかなかった。お陰で私は静かに進水式の余韻を楽しめたというもの。今度の庵主様の作・演出のミュージカルは、昭和初期の神戸の港を舞台とし、アメリカの豪華客船の船員と神戸裏町のカフの日本人女性の悲恋物語らしい。

演出助手、安曇川麻実さんも神戸港での進水式に、その頃のといってもまだ彼女は生まれていないのですが、せめても雰囲気だけでも感じ取ったようでした。ハヤマさんは、ヒロイン役であるので、自分とリベリアの若い船員を、ミュージカルの舞台にオーバーラップさせたのではなかったでしょうか? いずれにしても、素敵な秋の一日でありました。

9月も半ばを過ぎた頃のことでした。朝から良いお天気で、『維摩』のドアーを開け放って、清(すが)しい風を店に通していました。ジャモウとランジェは大きなアクビをして外の大屋根へ上って行った。今日あたりドーベルマンが煉瓦道を通りそうで、また驚かせてやろうと待ちかまえている様子である。

私がおもての掃除をしていた時、一人の女性が角を曲がって路地に入ってきた。なにかを探しているような感じで、周りの会社の看板や表札を確認している。私の前に差し掛かって、おもむろに足を止めた。

『すみません、この近くにアクアマリンKobe という会社、ご存知ないでしょうか?』と言った。小麦色に日焼けした顔と、歯の白さが印象的な女の子であった。肩に大きなバッグを担いでいる。その女性はフィットネスクラブのインストラクターのような感じがした。

首からIDカードのようなものを下げている。そこには『海原沙織里』(かいはらさおり)と記されてある。

アクアマリンKobeの社長、Mr.フラナガンと私とは旧知の間柄であった。彼はつい最近イタリアから帰って来たと言っていた。私はアクアマリンKobeの前まで彼女を案内した。『ありがとうございます。助かりました』と深々と礼をした。胸元からサンバーンした水着のあとが見えた。

フラナガンさんを訪ねてやってきた一人の女性。彼女は神戸の街によく似合う、海の匂いがしていた。アクアマリンKobeにどんな用があるのだろうか。煉瓦路西入る、今日も色んな人が去来する。まさに『来夢来人』(ライムライト)である。


進水式からの帰り 海沿いの小さなカフェでお茶を楽しんだ By Jun



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