2013年5月7日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・ジャズパブ維摩 40 <標高 611 m>



山際清之助氏の豪邸にお泊め頂いた一行は、ご主人にお別れのお礼を申し述べて、気仙沼を後にしました。庵主様の車には沢山のお土産などが積み込まれています。まこっちゃんは、12月に開店するお店用に乾物などをしっかりと買い求めたようです。

庵主様の提案で、今夜は妙高高原に一泊しようとの事である。先日、芹沢ご夫妻と「ジャズパブ維摩」で話した時、信二さんは1018日には妙高高原町のペンション「エーデルワイス」に滞在すると話されていた事を思い出したからであった。

早速あきちゃんが、携帯で「エーデルワイス」へ連絡を入れています。
 オーナーがお出になって、今夜は部屋が空いているとの事。庵主様が電話を変わられて、芹沢信二と言ってもご存じないので、オーナーには宇野信二、そう告げて今夜のご滞在を確認したところ、お泊まりになるとの返事が返ってきました。

あきちゃんは、芹沢祇乃さんと仲良くなっていたのでとっても嬉しそうです。宇野信二さんと芹沢祇乃さんは逃避行最後の夜を、妙高高原の麓にある「エーデルワイス」で過ごしたそうだ。信二さんは、いつかこの罪が晴れた暁には、再度ここを訪ねると心に決めていたのでした。

晩秋の越後路を車は軽快に走り抜けていく。荒々しい日本海が右手に広がって佐渡島も指呼の間にあるような気持ちになる。上越ジャンクションで長野方面に進路を変える。

周りの山々はもう紅葉に彩られている。あと半月もすれば妙高山は初冠雪を見るだろう。白樺、落葉松などが、華やかな装いを惜しげもなく纏って、まるで宝塚歌劇のレビューの様に見えてくる。

庵主様は、ふと神戸に残してきた市民劇団のミュージカルの練習がどうなっているかを思った。安曇川麻沙美さんにご自分の不在中を任せてきておられた。公演まであと一月である。

車は上信越道、妙高高原インターチェンジを出る。大小さまざまな標識が建てられてある。スキー場の看板、温泉、ホテル、別荘地案内など多種多様である。「池の平」方面に車は走る。坂道ばかりである。冬場はさぞ難所であろうと思われる。

ペンション「エーデルワイス」は、いもり池のすぐ近くにある。真っ正面に日本百名山の一つ、『妙高山』が聳えている。標高2,454mの霊峰である。

上信越国立公園の中の、それもまだ生きている火山です。大昔に大噴火をしたようです。今も中腹の岩の間から白煙(水蒸気)を上げ続けているのです。だから周りには温泉が点在しています。有名な赤倉温泉もその一つです。

この山の名前は戦前では、重巡洋艦『妙高』として有名でありましたし、今日では日本の海をしっかりと防衛する、イージス艦『妙高』として海上自衛隊の艦艇群の中核にラインナップされています。それだけ山容が堂々として、雄大だからでありましょう。これは余談でした、失礼致しました。

庵主様一行は、夕方5時頃に妙高山麓「エーデルワイス」に無事到着致しました。芹沢様ご夫妻はまだのようです。お二人は今夜、ここで庵主様一行にお会いする事は全くご存じないのであります。あきちゃんは、再会を殊の外楽しみにしています。白樺林の中に建つ、「エーデルワイス」は、ヨーロッパのスイス風ペンションとして、10年前にオーナーさんによって建てられました。

オーナーご夫妻は、京都のご出身だそうです。サラリーマン生活を50歳でやめてこの妙高高原町に引っ越して来たそうです。今では大きなブルーベリー園を持ち、スキーの一級ライセンスを持って、スキースクールの講師もされているそうです。

近くにあるジンギスカン料理店のシェフもなさっています。ロマンスグレーのペンション経営者兼スポーツインストラクターの二足のわらじを履いた紳士でありました。

ちょうど6時になった時、表の庭に車が到着いたしました。あきちゃんが走り出て、迎えているようです。ひときは大きな声がして再会を喜び合っている様子が伝わって来ます。さぞや今夜の「エーデルワイス」には、楽しいひと時が展開することでありましょう。


2 件のコメント:

  1. 愈々話は妙高が舞台になってきましたね。まだ火山として水蒸気を発している妙高山が突然噴火する話になるかとヒヤヒヤしています。妙高山麓を舞台にしてどのような話の展開になっていくか楽しみにしています。ところで妙高にはジンギスカン料理店はあるのですか?

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  2. 小川 洋帆 様

    お早うございます。

    お聞きのジンギスカン料理ですが、アルペンブリックのジンギスカンとバイキング料理が有名ですね。ただし池の平温泉のカウンターで予約が必要です。大人1人1,800円でお風呂+ジンギスカン・バイキングが楽しめます。

    会場はホテル アルペンブリックのすぐ近くです。妙高高原ビールのブレウエリーが併設されていて、妙高高原ビール(地ビール)の飲み放題もあり、夕方5時過ぎから開業しています。

    ではまた。

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