2012年4月11日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ ・言葉のアーカイブス <標高324m>

アマン・ガマン・ゲロッポのお話  11

水車小屋にも朝がやってきました。ゲロッポ小父さんは早くから起きてなにやらせっせと仕事をしているようです。ガマンは小屋の外に出て、小父さんのお仕事を見ていました。小屋のそばにある水たまりに、なにやら小さな動く物が見えました。小父さんはそこに水草を運んでいました。


『ゲロッポさん、何をしてるのですか?』とガマンは聞きました。朝日を顔に受けてちょっとまぶしそうにしながらゲロッポさんは言いました。『メダカの赤ちゃんが生まれたのじゃ。それで住み家を作ってやっているのじゃよ』。沢山のメダカの赤ちゃんが泳いでいるのが見えました。しばらくするとそばにアマンがやって来ました。『おはよう、ガマン君』『ああ、アマンちゃんおはよう』『ゲロッポさ〜ん、お早うございます』。とアマンが大きな声で言いました。

『おはよう。アマンもガマンもよく眠れたかな?』『アマンはとっても』。そう言ってアマンは、ガマンを見ました。なんだかまだ眠むそうです。『ガマン君、まだ眠たいの?』とアマンが聞きました。『ウ〜ン、そんなことないよ、大丈夫さ』そう言ってガマンは目をこすりました。それもそのはず、ガマンは夜の間一度もねむることなくアマンを守ったのです。アマンはそんなことも知らずに、気持ちよく眠っていたのです。

ガマンは今日、あるところにアマンを連れて行ってやろうと考えていました。そこはガマンが見つけたとっても素敵な秘密の場所でした。いつもひとりで遊びに行っていたのです。

『ゲロッポさん、有り難うございました。とっても楽しかったわ、お蕎麦(そば)の粉も美味しかったし』。アマンはお礼を言いました。ゲロッポ小父さんは優しい笑顔で送ってくれました。ガマン君がバック転をしてお礼を表しました。

『またおいで。今度は柔らかいハコベを用意しておくからな』とゲロッポさんは手を振って言いました。『さようなら、ゲロッポさん、お元気でね〜』アマンとガマンは、振り返って背伸びして叫びました。


                                                                                              Presented by Jun

水辺にはアサギマダラもやってきますよ

アマンとガマンはきょうどこに行くのでしょうか



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