2012年12月23日日曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・天皇誕生日に思う <標高519m>



【節折(よおり)】

天皇陛下のお身体のお祓いをする行事で、平安時代の村上天皇(在位946967)のころから行われている。
節(よ)は竹の茎の節と節との間をいい、篠竹で天皇陛下のお身体をお計りし、そのしるしのところで竹を折るので、節折の名称がある。

節折のとき、天皇陛下はお小直衣(このうし)をお召しになる。お小直衣とは、昔の宮中のふだん着に相当する装束である。

この行事は、六月三十日と十二月三十一日の午後二時から行われる。前段の「荒世(あらよ)の儀」と後段の「和世(にごよ)の儀」から成っており、「荒世」は禍悪を去るの意、「和世」は福善を進めるの意で、民間の節分の「鬼は外、福は内」に相当するものであろう。
天皇陛下のご心身にけがれなどあろうはずがないという考えもあるが、清いうえにもなお清くとの願いをこめて、陛下のご健康とご長寿を祈願する行事なのである。けがれとは気枯れの意で、肉体的な病気と精神的な不快をいう。緑濃き皇居内も大気汚染の度合は周辺地区と変わりないようで、陛下も毎日この空気をお吸いになり、都民と同じ水道の水をお飲みになっていることを思えば、この古式によったお祓いもいっそう大切なことに思われる。

(入江相政著:宮中歳時記より謹載)

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