2013年6月17日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・ジャズパブ維摩 49 <標高 645 m>



 1123日、今日は浜裕次郎君と新谷暁子さんの結婚式の日であります。お二人は朝早くから、浜家で晴れの日の準備に大忙しです。今朝はなんと浜千鳥婆さんは朝の5時から、ご先祖の神棚を浄めて灯明を上げて無事結婚式が出来ますようにと、念入りにお祈りをしていました。

さてこちらは庵主様。清荒神の山の隠れ家では、これも朝早くから運転手兼お世話役の源さんと一緒に、紋付き羽織袴の着付けです。庵主様の家紋は『三階菱』であります。

奥の部屋では奥様が着物を準備して、着付けのお手伝い役「春江」婆さんの来るのを待っています。下駄の音がして、春江婆さんがやってきました。30分ほどかかったでしょうか。留め袖姿に綺麗に着付けが終了しました。奥様の様子をちょっと覗いてみましょう。

すらっとしたお姿です。顔立ちは昔宝塚のトップスターで一世を風靡したあの男装の麗人、『白薔薇のプリンス』こと春日野八千代さんの生き写しの様です。あとで判った事ですが、奥様は若い頃、やはり宝塚ジェンヌの魁(さきがけ)でありました。

庵主様夫妻は神前に額ずき、今日の大役が無事終わるようにお祈りをされました。いよいよ神戸「生島神社」に向けて出発であります。

大きな花束やブーケなどが奥様の手によって車に積み込まれました。庵主様は枝折り戸の前で、何か口にお含みになりました。それは神様に捧げる『御神酒』だそうです。まあ呈の良い気付け薬ではありますが・・・。

さて「ジャズパブ維摩」では、いっしゅうさんが礼服を着て準備をしています。ジャモウとランジェも滅多に見られない、ご主人の正装に驚いたような目をして座っています。お互いの身体を舐め合って、それはそれは仲睦ましい光景です。

本日結婚式に参列するメンバーは、新郎・新婦、お仲人さんは別として、新婦の兄、新谷誠さん、新郎の祖母、浜千鳥さん、「維摩」のマスター井筒修さん、三味線屋の蓮実辰ノ進さん、落語家 新在家甲六さん、疾風真麻さん、安曇川麻沙美さん、糀屋の看板娘さん、などであります。

午後一時、「生島神社」の結婚式場には本日の出席者の皆さんがお集まりでした。受付に看板娘さんと安曇川麻沙美さんがお役についています。

庵主様ご夫妻が到着になりました。みんなの目が奥様に注がれています。疾風真麻さんが、『すご〜い!春日野八千代さんみたい』と宝塚歌劇団の大御所の名をあげました。

やはり美しい人はいくつ何十になっても、その美貌は変わらないのでしょう。一体庵主様はどこでこんな素敵な奥様を射止められたのか? 三味線屋の辰っあんなどは、口を開けて見とれてしまっています。

ご媒酌人に先導されて、新郎新婦が式場に入場されます。「生島神社」の神主様により結婚の儀が粛々と進められて行きます。角隠しの艶姿の暁子さんは、まるで日本人形のような楚々とした清らかなお姿でした。

いつもがらっぱちを言っている、浜ちゃんもなかなかの好男子。やはり馬子にも衣装とはよく言ったもので・・・。

庵主様はと言うと、ただじっと目を閉じて、神主の祝詞を聞いています。時折白いハンケチを取りだして、額の汗やら涙やらを拭いておられるのです。ひょっとしたら、この世に生まれて来なかった「仙太郎」の事を思い出していたのかも知れません。

三三九度の儀式も終わり、新郎新婦の結婚指輪の交換です。浜ちゃんの無骨な指になかなか上手く指輪が入らず、新婦がちょっと笑ったのが、堅い雰囲気の場を和めたようでした。

全ての式次第が終了して、ここに目出度く浜裕次郎、浜暁子夫婦が誕生したのであります。思い起こせば、昨年の1224日のクリスマスイブの大雪の夜、雪女こと「お雪」さんと浜ちゃんとの出会いが全ての始まりでありました。

こうして次の舞台、披露宴会場に席は移るのであります。神戸旧居留地、海岸通り煉瓦路西入る「ジャズパブ維摩」がこのあとの披露宴会場でした。


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