2012年5月2日水曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高338m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 18

アマンはこれからずっと、ガマン君と一緒にいようと心に決めていました。あのゲロッポ小父さんの水車小屋に泊めてもらった夜、ガマン君が一晩中寝ないで自分を守ってくれていたのを知っていたのです。そっと薄目を開けてその様子をみていたのでした。夢をみて、涙を流したのだけではありませんでした。


ガマン君のその優しさに心打たれたのです。ガマン君がアマンの目からこぼれ落ちた涙のしずくを、すくってなめたのもちゃんと知っていたのです。

ガマン君も、まるで自分の妹が出来たように感じていました。少しだけガマン君の方がお兄さんでした。このようにしてアマンとガマンは、これからお互いに助け合って生きていこうと心に決めたのでした。

その日からもう二ヶ月の月日が流れていました。ここアマンたちの棲む、谷川の景色も秋から冬に変わろうとしていました。この辺りは冬がとっても寒いところなのです。雪も沢山降ります。冷たい風もピューピューとうなり声を上げて吹いてくるのです。

ガマン君のお家は、とっても暖かくしてありました。大きな岩の穴の中にそのお家はありました。入り口は狭く出来ています。それはあの恐ろしい青大将が入ってこれないようになっているのです。

そして中に入って行くと、段々と広くなって、アマンたちが冬の寒さを感じることのないように丁度良い具合のお部屋になっているのです。

そこにはいつもきれいな水草がしきつめてありました。しっかりとした石のカベでおおわれて、その上とてもがんじょうに出来ています。チョットくらいの大水でも平気、地震が来たってびくともしないほどの出来映えでした。実はこのお家はアマンとガマン君が力を合わせて作り上げたお家だったのです。


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