2012年5月8日火曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高343m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 20

その部屋に流れている水はとっても冷たいのです。そしてちょっぴり甘い味がしました。いつぞや向日葵(ヒマワリ)さんが話していた、「お砂糖の泉」のようでした。



『おい、ホロップや、友達がみえているぞ』とパグさんの声がしています。どうやらホロップさんとお母さんウサギのミドリーヌさんが帰って来たようです。

ホロップさんは、アマンたちのいる水の流れる部屋にやってきました。木の実をいっぱい拾ってきたようです。野ウサギたちにとっても、ここでの厳しい冬を越すためには栄養のある木の実が欠かせませんでした。

『やあ、ガマン君、アマンちゃん。こんにちは。ここすぐに分かったかい?』『この辺りで一番大きな木といったらこの樅の木だものね。すぐわかったよ』『とってもいいお部屋ね。アマン気にいっちゃった』『そりゃよかった。ゆっくりしていってよ』。そういってホロップさんは、隣の部屋に行ってしまいました。


ホロップさんはお父さんのパグさんに何か話しているようです。ちょっと聞いてみましょうか。

『父さん、チャバさんちのツバサ君遊びに来ないかな?』『さあ、どうだろうか。呼んでみようか?』『おねがい!』。
パグさんが大きな木の洞穴(ほらあな)に向かって叫びました。

『チャバさんよ〜〜。きょうはツバサ君いるの?』しばらくして上の方から声がしました。『いるよ〜〜。今寝てんだよ。すぐ起こすから待ってて〜〜』。

しばらくするとツバサ君の声がしました。『ホロップ君、どうしたの〜ネムネム』『友達が来てるんだ。アマガエルのガマン君とアマンちゃんだよ』。

その声を聞いた時、ガマン君はとっさに身構えたのです。アマンちゃんはその姿を見て驚きました。『ガマン君、どうしたの、そんなにこわい真剣な顔して・・・』

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