2012年5月10日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・言葉のアーカイブス <標高344m>


アマン・ガマン・ゲロッポのお話 21

『アマン、よくお聞き、フクロウさんは僕たちアマガエルを友達だと思わないよ、きっと』『どうして?』『あの青大将やヌートリアと同じで、カエルを捕まえて食べてしまうんだ・・・』『ほんとう?アマン、怖い!』。



そこにホロップさんが入ってきました。なにかちょっと変な感じのガマンとアマンを見て首を二三度傾げました。

『どうかしたの?なんだか変だよ』『ホロップさん、今の話聞いちゃったんだ。ツバサっていう、フクロウのこと』『それがどうかしたの?』『うん・・・フクロウはカエルを食べるだろう。それで・・・』。

『そうだね、フクロウはカエルやトカゲが大好物だね。でもそれがどうかしたのかい?』『どうかするなんてことじゃないと思うんだ。アマンもボクも食べられちゃうよ』。

『ファルファルファル、ああそんなことか?なら心配いらないよ。チャバさんはボクのお父さんにツバサ君を助けてもらったろ、だから僕たちの友達にはけっしてそんな事はしないよ』と笑いながら言いました。

『ほんと、ホロップさん!』とアマンが目を大きくして言いました。でもガマン君はまだ心配そうにしています。『それとね、チャバさんはフクロウさんの仲間では、草食フクロウと呼ばれていて、草や野菜が好きらしいよ』『へ〜、そんなフクロウさんがいるの?』『あの人間だって、肉を食べない人も沢山いるってお父さんが言ってたよ』。

アマンには何の話かよく分からなかったのです。でもホロップさんの言葉を聞いて心がす〜っと楽になったようでした。表の方でバタバタと大きな音がしました。フクロウのツバサ君が木の上から降りてきたようです。

そしてアマンたちのいる、水辺の部屋にやってきました。小さなお耳がピンと尖(とが)っています。なんとその目はアマン達が今まで見たこともない大きな目でした。暗い部屋の中でそれはまるでサーチライト(注:1)のようにランランと輝いていました。ツバサ君はもう立派なお兄さんフクロウだったのです。

勉強の部屋サーチライト(注:1

夜、暗闇を照らす懐中電灯のお化けのような強力な装置(そうち)です。サーチと言うのは探すと言う意味。ライトはヒカリです。だから光を付けて何かを見たり探したりするものなのです。

皆さんも見たことがあるでしょう。大きな建物の屋上から明るい光が回りながら周囲を照らしているのをね。あれもサーチライトの一種です。でも最近は交通の妨げになる事もあって少なくなりましたよ。

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