2012年8月20日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・夏と秋のあいだに<標高428m>


【胡桃(クルミ)のおちる林道】





夏と秋のあいだに

季節は光と陰を追い

胡桃(クルミ)は枝をはなれ

忘れ去られた捕虫網は

風をはらんで炎天の童たちを想う

オオルリのヒナはいましも

産毛(うぶげ)をふるわせながら

遅まきの旅立ちの朝をむかえた

熊よけのラジオからは

井上陽水の『少年時代』が流れ

誰もいない森の小径には

倒れた木がアーチにかぶさって

夕暮れの寂しさがひそやかに

仮面顔ですり寄ってくるのだ

胡桃(クルミ)の落ちる林道には

腰痛をこらえて拾い歩く自分がいる

(庵主の日時計日記:今朝のポエム)










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