2014年11月17日月曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・【男達の黄昏・・そして今(8)】(標高 1019 m)


【男達の黄昏・・そして今(8)】

 お分かりになりませんか?『衣類・それも高級毛皮製品ですか?』『ブー』『それではお酒類、レミーマルタンとか・・』『ブー』。皆さんお分かりにならない様で。答えを香山刑事より発表していただきましょう。

『それは、スヌーピー、ミッキーマウス、ステイッチなどに代表される縫いぐるみなんです』『ええ〜〜〜〜〜〜っつ!』と全員一瞬驚き、絶句!!『なんでまた縫いぐるみなどを』と哲じい。『そんなん盗らいでも、安いものでっせ』と沼ちゃん。『わかるわ、そいつおたくなんや!』と周さん。『おたくてなんや』と徳さんが乗り出してきいて来た。『よういてますやん、萌え系のフィギュアためてる男の人など』と周さん。

『まあ全部にあてはまるとは言えませんが、結構被害届の中にそれが多いんです』と香山雄三刑事。そう言いながらニタッと笑ったのは、彼も若干のおたく傾向がおありか?

 周さんは、この傾向を夕陽丘の全住民の家庭に置き換えてデータ化させ、今後発生するかも知れない『空き巣』被害の阻止に繋げる事が出来るか誠に不安でありました。しかし乗りかかった船、今さら出来ませんとは言えない。まずここのエリアマップを広げ、じっくりと睨む事から始めよう。それには過去に被害にあった家の確定と、そこに共通するなにかを見つけ出す事から始めようと思った。久しぶりに自分の『推理能力』を試す良い機会だと思えてきたのでありました。
 それは競馬の予想より遥かに難しい事であります。競馬なら全部で18頭の馬をチエックし、それらの全ての過去のデータを洗い出して、今日現在の馬達の健康状況や季節における問題点、そして騎手、厩舎、馬主などのファクターを入力すればある程度の絞り込みは出来るのであります。

 しかしこの夕陽丘の五百六十五世帯、2,670人の方々の生活の中で、まず第一に調べねばならぬ事、それは家の周囲を塀で囲われている家の選定。そして犬を飼っている家庭の絞り込みと一筋縄ではいかないのです。早速『私設夕陽丘自警団・黄昏斑』5名は行動を開始致しました。その時哲じいが『あっ、先生に連絡するの忘れてるで。』『ほんま、ころっとわすれてるやんか。みなボケとんのとちゃうか』と徳さん。この先生と呼ばれているお方、何を隠そう(別段隠す事でもおませんが)外人さんなんです。

リチャード・ラスパートさん。以前にご紹介したと思いますが、れっきとしたアメリカ人。年齢は58歳、現在K大学の客員講師として英会話、アメリカ開拓史を教えている現役の先生であります。なんちゅうても、奥さんが美人。金髪のスラッとしたそれでいて出るとこはきっちり出ているというグラマー美人なのであります。一度みんなで京都に行った時ご一緒したのがきっかけで、黄昏斑の仲間入りをすることになるようです。ハイ。


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