2013年4月4日木曜日

酔花 風酔 自然法爾のおきどころ・ジャズパブ維摩 34 <標高584m>



 海原沙織里先生の、イメージレッスンによると・・・。M.B2-Z』のヒーリング・エクササイズはこんな感じである。

まず扉を開けて部屋に入る。そこにはゆったりとした椅子がある。背の部分は麻の布の中に羽毛を仕込んだ背もたれ。肘掛けは『籐』で巻かれてある。腰を下ろす部分は、藁で出来ている。部屋にはお香が焚かれている。
部屋全体がスクリーンになっている。10分ほど、そのままの姿勢で目を閉じて静かに香をききます。水の流れる音が幽かに聞こえている。鳥の囀るこえがする。なにか判らないが、『鼓動』ような音が定律的に『脳内』に響いています。

そのあと、ゆっくりとその椅子が動き出す。周りの景色が鬱蒼とした杉や檜の参道に変わり、風が頬に当たる感じがする。季節は晩秋のようだ。前方奥に僧坊が顕れる。まるで『永平寺』の禅道場に着いたような錯覚に陥る。

目を開けると、薄暗い座禅道場に座っている自分を見ることが出来る。ここがバーチャルイクスペリエンス(空想空域体験)その2である。いろんな角度からの自分自身を客観的に凝視出来るのである。

体のうち肩あたりの色が変わっている。少し濃いめのオレンジ色が見られる。それはこの僧坊の雰囲気の中で、心がリラックスした結果『肩こり』などが軽減した証拠であるらしい。また眼を閉じる。静かな中に僧が歩を進める気配がする。自分の後ろでそれが止まる。

座禅をしている人の肩に如意棒が打ち下ろされる。『ピシッ!』と音がして、まるで今肩を打たれた感じがして、思わず合掌をしている仮想の自分がそこにいる。

奥まった所に、一体の御仏がお座りになっている。『道元禅師』であろうか。波長の異なる、読経の音が流れている。それをじっと聴いていると自分の過去に還って行くような感じがする。『両親未生以前』の自分にである。

30は経過しているだろうか。気が付いたら頬を涙がつたっているのを知る。どうしてなのかは判らないが、体験した人の話によると、『嬉しかった』『悲しかった』『謝りたかった』など様々。それぞれの潜在意識の中にある『歓び』『悲しみ』『懺悔の心』などが浄化されて、それが『涙』となって消えていくのだ。

ここで大切なことは、『呼吸法』であります。いわゆる『腹式呼吸』が基本なのです。もっと判りやすく言うと『赤ちゃん式呼吸』なのです。慣れれば誰にでも出来ます。瞑想をする場合、この腹式呼吸は脳波のα波を整える為にも重要とのこと。

大きな蝋燭が灯されています。その炎の揺らめきが、徐々に意識を現実世界に戻してくれる触媒になっているようです。『おうおう』と呼び合いながら、晩秋の前庭をワラジ履きの雲水が列をなして山を下りていきます。

僧坊の板の隙間から一筋の光が差し込んでいます。燃えるような紅葉が新生した全身にまるでタトウーン(彫り物)を染め上げるように散り始めました。

静かにゆっくりと椅子が又来た道を戻って行きます。あのお香のかおりが、脳細胞を刺激します。そのままの姿勢でまた10分ほど安静にします。

扉が開いて、お抹茶が運ばれて来ます。その生命のお茶を頂いて心が完全に安楽した所が『M.B2Z』のファースト・クルーの終了となります。ここまで601アワー)です。どうです、如何でしたでしょうか?

少しは仮想体験して頂けたでしょうか? これらのプログラムは、いくつかのコースをセレクトして受講できます。

維摩にいる人たちも静かに聴いています。沙織里さんの説明が終わったとき、安曇川麻沙美(姓名判断により麻実より改名されました)さんは何故か泣いています。看板娘さんは、頬が紅潮して元気が漲ったよう。ジャモウとランジェはいつの間にか外に出て行ったようです。

(註)このリラクゼーションは著者のフィクションです。



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